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ビーバープランニングセンター、伝統美の風合いを再現〜新たなゴールド表現で世界を魅了

オンリーワンの技術でIPA2025に入賞

金屏風の風合いを再現するための精密な色調整

 ゴールドトナーを使用した印刷で金屏風を表現すること自体は難しい発想ではないが、同社がこだわったのは古式ゆかしい風合いの金屏風の再現だ。

 そのため、この風合いを導き出すために幾度にわたり印刷テストを実施。その結果、数パターンの候補の中から今回の入賞作品で使用した印刷表現が決定した。

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金屏風の風合いを忠実に再現

 
 「フリー素材や自分で作ったテクスチャーを重ねるとともにCMYKとゴールドを重ね合わせて、この風合いを調整しながら完成させた。具体的には、金屏風部分にCMYKを微細に重ねることでゴールドだけのベタ表現ではなく、濃淡や質感、年代感のある風合いを演出している」(庄田氏)

 また、庄田氏は「一番苦労したのはウレタン樹脂加工を想定した色調整だった」と振り返る。「印刷後、ウレタン樹脂を盛るまでは、どんな色表現になるか見当もつかない。そのため、何パターンも印刷して樹脂加工後の色合いを確認していた」

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山條氏(左)と庄田氏


 山條氏も「CMYKの色表現には慣れているが、そこにゴールドトナーが加わると全体的なバランスを含め、色表現が非常に難しくなる。さらに最終的にウレタン樹脂加工が加わるので、当社のイメージした表現を確立するために試行錯誤の連続だった」と付け加える。

 これらの苦労の末、完成した「特殊トナーを使用したマグネット The!日本」は「特殊色の活用」部門で第2位に選出された。

 審査員から「このマグネットには、いくつもの技術が組み合わされているが、とくに印刷面の技術が際立っており、強いインパクトを与える作品である」とのコメントが寄せられている。

 初めてのエントリーで入賞という快挙を達成した同社であるが、山條氏は「嬉しい反面、1位ではなく2位だったことの悔しさも若干ある」と入賞という成果に喜びを感じる一方、作品のクオリティーや創造性など世界のレベルの高さを痛感したと語る。

オンリーワン企業としてさらなる進化を

 次回のIPAについて細川社長は、「今回の結果を踏まえ、より上を目指していきたい。また、今回は残念ながらIPA入賞作品が自動的にエントリーされるアジアン・プリント・アワード(APA)での入賞が叶わなかったので、次こそはIPAとAPAのダブル入賞を目指していきたい」と、さらに進化させた特殊印刷技術とアイデアで挑戦する考えを明らかにした。

 IPA入賞作品をはじめ、一部の応募作品は、東京・西新宿にある富士フイルムビジネスイノベーションのショウルーム「グラフィックコミュニケーション東京(GC東京)」に展示されており、細川社長は、「国内外の印刷物を実際に手に取って見る経験は重要なこと。他社の作品から学ぶことも多く、その体験を活かし、新たな作品制作に役立てることができるし、刺激にもなるはず」と、次回の応募作品制作に向けて構想のヒントを掴むことを目的に、他社の作品の見学に行くことを検討している。

 オンリーワン技術を強みとする同社では、ピンバッジ制作技術で特許を取得している。それは従来、金属を使用していたピンバッジをアクリルに箔を貼った擬似金属表現により実現したものだ。

 抜き型が高価な金属製のピンバッジと比較して、レーザーカッターなどで型抜きすることができるアクリルは、コストを抑え、かつ軽量のピンバッジとして提供することができる。

 同社では現在、このアクリル製ピンバッジの受注が増加傾向にあることから、その技術をさらにリニューアルし、新たな商品開発を検討している。このオンリーワンの技術と独創性を活かし、今後もさまざまな商品開発を進めていく。

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