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富士フイルムの「保守プラスα」「寄り添うサービス」

[FFGS / 富士フイルムBIジャパン]色管理分野で協業開始〜AI活用で保守プロセス効率化

富士フイルムBIジャパンが「QC Navi」販売開始

 同じ富士フイルムグループで同じ分野の製品ポートフォリオを持つ両社だが、保守サービスレベルでの連携はどうなっているのか。

 これについて大貫センター長は、「以前は、お客様側でオフセット部門とPOD部門が分断されていたため、両社がサービスで連携する場面は少なく、ある意味、必要がなかった。しかし、いまはお客様がPOD機を『生産機』として使い始め、その垣根がなくなってきたことで、両社はシームレスな連携で、より柔軟に対応できる環境を互いに整えてきた」とした上で、「とくに両社が手掛けるインクジェット機については、ヘッド部分を中心とした共通課題の情報の共有化をはかり、サービスマンの育成面でもベース教育の効率化を検討してきた」と語る。

 一方、今年5月から富士フイルムBIジャパンでも「FFGS QC Navi」を販売できる体制が整い、今後周知していく段階にあるという。

 これは、FFGSが長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウを活かし、顧客の生産設備に合わせた課題解決から、印刷品質の維持管理までをワンストップでサポートするソリューション。オフセット印刷分野で技術基盤を持つFFGSの質の高い印刷品質管理の仕組みとして、富士フイルムBIジャパンでもひとつの訴求ポイントとして展開していくという。

 「オフセットの品質管理はFFGSの『QC Navi』、デジタル印刷の品質管理はFBJの『リモートCMS』、これらを融合させることで印刷工程全体を高いレベルで管理していくという活動を開始しており、これは両社における大きな付加価値、アドバンテージになると確信している」(松川部長)

 また、大貫センター長も「QC Navi+リモートCMSは、ある意味、両社の苦手分野を互いに補完することで、大きな相乗効果が期待できる。今後も連携を強化し、付加価値を高めていきたい」としている。


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オフセットとPODの共存環境へ

 FFGSでは、コロナ禍以降、印刷経営の新たなメソッドとして「最適生産分析ソリューション」を訴求してきた。これは、オフセットとデジタルの共存運用を最適化し、そこで生み出された「余剰」を再分配するという考え方にもとづくもの。松川部長は、「オフセットとPODは、未だにジョブを切り分けて使うことが慣習化されており、これらの共存環境への移行に踏み切れていないお客様もまだまだ多い。しかし、富士フイルムBIジャパンとのサポート共有を開始してから、オフセットのジョブをデジタルに流してみようという意識が出始め、一歩踏み出す印刷会社も増えている」との見方を示した上で、「オフセットからPODへ3割程度移行できるようになった印刷会社では、オフセット部門の残業が20時間減少したという効果も報告されている。しかし、これはまだ一部の話で、もっと市場に訴求できれば我々がお役に立てる機会が増えるだろう」と語る。

 大貫センター長も「やはり経営者がオフセットのオペレータの高齢化や人材不足を背景に、PODへ移行するという流れは増えている。営業はそこに着目して様々な効果を算出しながら提案を行っている」としている。

サービスマンの高齢化も課題に

 「我々は、保守メンテナンスサービスだけでなく、お客様の事業パートナーになることをミッションとしている。そのためには、まずカストマーエンジニアがお客様の事業を理解・把握した上で、情報を提供し、改善を提案することが重要になる」と語る大貫センター長。FFGSとの連携によるカラーマネジメントソリューションなども上手く取り入れながら、「保守プラスα」のサービスを提供していく考えだ。

 一方で、技術革新が急速に進む中、今後はサービスマンの高齢化も問題になってくる。ベテランが長年培ってきた知識やノウハウの伝承には時間が掛かる。このベテランと若手のギャップを如何に埋めていくかが今後の課題でもある。そこで富士フイルムビジネスイノベーションでは、「保守プロセスの効率化」を目指して、AI機能を搭載した統合型保守支援プラットフォームを開発し、今後、国内での活用を推進していく。

 「いままで分散していた各エンジニアの様々な情報をひとつのプラットフォームに統合し、それをAIによって可視化、運用する。この情報をもとに機械のダウンタイム減少などを実現していく。AIを活用することで『誰でも高いレベルで同じ保守ができる』という環境を目指す」(大貫センター長)

 一方、松川部長は「FFGSでも現在、若手を中心に様々なAIツールを活用しながら試行錯誤している段階。将来的には富士フイルムBIジャパンのようにAI機能を持つプラットフォームを活用し、統一された情報の共有化が必要だと考えている」と語る。

 同一グループ内で同じ領域の機械を扱う2社。大貫センター長は「両社は以前、『完全に別の企業』というイメージがあったかもしれないが、いまは営業も含めた協業や連携が進んでいる。それぞれの長短所をうまく融合、補完しながらお客様に『保守プラスα』を提供し、『サポートでも選ばれる会社』を目指す」との意向を語っている。

 また松川部長も、「両社が関係性を強化することで、お客様にもっと良いものが提供できると確信している。それが印刷業界における富士フイルムの強みになる」とし、「お客様に寄り添って課題を解決する」という理想的の保守サポートの具現化を目指す。