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視点の行方

AIの世界支出額は2024年に1,100億ドルと予測

印刷ジャーナル 2020年10月5日

 IT専門調査会社であるIDC Japan(株)は、世界の人工知能(AI)の支出額に関する調査結果を発表した。
 この調査結果によると、AIに対する世界全体の支出額は今後4年間で2倍に増加し、2020年の501億ドルから、2024年には1,100億ドル以上に達する見通しとなっている。企業におけるデジタルトランスフォーメーションの一環として、デジタルエコノミーで競争力を保つことを目的とした人工知能の導入が進み、今後、数年間でAIシステムへの支出が加速すると予測している。なお、2019年から2024年までの予測期間中における年間平均成長率(CAGR)は、20.1%と予測している。
  予測期間中、AIソリューションへの支出額が最も多いとみられる業界は、小売および銀行となっている。小売業界におけるAIの主な投資分野は、チャットボットやレコメンデーションエンジンを利用したカスタマーエクスペリエンスの向上であると予測されている。
一方、銀行業界では、不正行為の解析と調査、プログラムアドバイザー/レコメンデーションシステムが中心になる見通しである。これに組立製造業、プロセス製造業、医療業界が加わり、2020年のAI支出額トップ5の業界を構成するとみられている。
  ソフトウェアおよびサービスは、今年のAI支出額全体の中でそれぞれ3分の1以上を占め、その残りがハードウェア支出になる見通しとなっている。ソフトウェア支出額のうち、最も比率が大きい項目はAIアプリケーション(141億ドル)と予測され、サービス支出における最大のカテゴリーはITサービス(145億ドル)になると予測されている。ハードウェア支出では、サーバー(112億ドル)が大半を占める見通しである。予測期間中、最も高い成長率が見込まれるのはソフトウェアに対する支出額であり、5年間のCAGRは22.5%と予測されている。
 また、地域別に見ると、米国は小売業界と銀行業界を中心に、予測期間中におけるAI支出額全体の半分以上を占めると予測されている。また、2番目に支出額が大きい地域は西ヨーロッパで、銀行、小売、組立製造業が牽引役となる見通しである。3番目にAI支出額が大きい地域は中国で、国/地方政府、銀行、プロフェッショナルサービスが主力業界となると予測されている。
そして、5年の予測期間中、最も強力な支出拡大が見込まれるのは日本(32.1%のCAGR)、およびラテンアメリカ(25.1%のCAGR)になると予測している。