2024年11月8日
竣工した溶解分離リサイクル設備の建屋
DIC(株)(本社/東京都中央区)は、四日市工場(三重県四日市市)で色柄付き発泡食品トレーの原料であるポリスチレンの溶解分離リサイクル設備を11月5日に竣工。協業する(株)エフピコ(本社/東京都新宿区)とともに、業界で初めてマテリアルリサイクルによる色柄付き食品トレーの水平リサイクルに取り組む。
エフピコグループは、スーパーマーケットなどに設置された全国約1万1,000店舗の回収拠点から使用済み食品トレーなどを回収して再利用している。食品トレーは、用途に応じて白色と色柄付きの発泡トレーがあり、一般家庭から排出される使用済みの白色発泡トレーは、再び食品トレーにリサイクルされているが、色柄付き発泡トレーはリサイクル時に再生ペレットが黒色になってしまうため、食品トレーへ再利用する際の用途が限られていた。
この課題に対してDICは、2022年8月に溶解分離リサイクル技術を開発。ポリスチレンの着色成分を溶解・分離させて透明ポリスチレンに再生することでトレーからトレーへの水平リサイクルを実現した。今回の設備ではエフピコが回収する色柄付き発泡トレーを原料として、年間約1万トンのリサイクルポリスチレンを供給できる体制を整える。