デジタル印刷のリードタイム短縮[Revoria XMF PressReady導入事例]
機動力がさらに向上〜基幹システムとの連携も視野に
リードタイムが1ジョブあたり10分短縮
PressReadyは、デジタル印刷のデータ入稿からプリプレス、印刷までを一括管理するソフトウェア。複数台のデジタル印刷機向けのジョブを一元的に管理することができるほか、作業指示書を見ながら人が行っている面付けや印刷指示などのプリプレス工程の作業を自動化することが可能で、オペレーターの負荷軽減、作業の標準化(属人化の解消)、ヒューマンエラーの削減、生産効率向上といったメリットをもたらす。
帆風ではまず、3つのWebサイト(印刷通販サイト)で受注するデジタル印刷ジョブについて、PressReady上で面付けし、各ジョブに適した印刷機に振り分けて印刷するという運用からスタートしている。
「面付け・印刷指示は、デジタル印刷機のオペレーターが行っているので、PressReadyによってこれらの作業をスキルレス化できたことは、オペレーターにとって大幅な負荷軽減になっている。入社1ヵ月ぐらいの若手でも、グルーピングされたジョブを印刷機のプリセットと紐付いたフォルダに入れるだけで簡単に印刷できるから、印刷機での紙の入れ間違いさえなければ、誰でも確実にジョブを流すことができるようになった」(森川課長)

24時間、多種多様なジョブが次々と入ってくる中で、デジタル印刷ジョブの65%にあたるWeb受注案件のスキルレス化が図れたことは、生産効率の面でも大きなメリットにつながっているという。
「PressReadyを通すジョブに関しては、リードタイムが1件あたり平均10分ほど短縮されている。入稿から納品まで2時間というスピードを追求している中で、10分の短縮は大きい。その積み重ねで、月単位では何十時間、何百時間もの短縮になっている。また、定型サイズジョブの生産効率が上がったことで、カスタムサイズなどの付加価値の高い仕事に使える時間が増えたことも大きな効果」(橋田次長)
デジタル印刷機の稼働効率もさらに向上している。
「PressReadyによって仕事がよりスムーズに流れるようになったことで、デジタル印刷部門の生産能力が一段と高まった。この効果を活かし、オフセットで印刷していた小ロットジョブのデジタル印刷への切り替えを進めている。その結果、デジタル印刷機の出力量はPressReady導入前の1.5倍ほどに。受注件数そのものが増加していることもあるが、現在、デジタル機のカウンター数は1台につき月25万を超え、5台で100万カウンターに届きそうな状況である」(森川課長)

受注から印刷までの完全自動化を目指す
現在、部分的な活用を始めている段階ではあるが、早くも明確な導入効果が得られているという帆風。今後は、Web受注だけでなく、オフラインで受注するジョブについても、PressReadyの運用フローに組み込み、デジタル印刷工程全体の効率化を進めていく考えだ。
「営業経由、あるいは店舗窓口で受注するジョブは、お客様のデータが不完全なケースも多いため、現状、本社で人の目によるデータチェックを行ってからPDF化し、デジタル印刷のサーバーに入れる形をとっているが、これらのジョブもファイル名をルールに則って確実にリネームすれば、PressReadyを通すことができると思う。人手による入力を挟むとエラーのリスクが出てくるので、自動リネームツールなどを使ってミスをなくせば、すべてのデジタル印刷ジョブをPressReady経由で流すことが可能になるだろう」(橋田次長)
また、PressReadyと基幹システムとの連携フローの構築も進行中だ。入稿から印刷までのタッチポイントを最小化し、リードタイムのさらなる短縮を目指す。
「デジタル印刷の部門内に関しては、理想的なフローがかなりのレベルまでつくれるという手応えは感じている。特定のサイズ・紙種のオーダーが入ったときに自動で出力できるところまでは検証できているので、あとは基幹システムが書き出したCSVデータをPressReadyで受け取る環境が構築できれば、次の段階に進める。CSVを書き出すときに、言葉や項目などをPressReadyやデジタル印刷機と互換性がとれるようにルール付けすれば、オーダーが入った瞬間に自動でジョブが流れる仕組みが実現できるのではないかと。将来的には、基幹システムの受注情報をもとにPressReady上で配送の自動振り分けも行い、後工程まで含めた効率化を図りたい」(森川課長)
導入当初の「面付けを中心としたプリプレス作業の効率化」という狙いは、受注から配送までの工程全体を見据えた自動化の取り組みへと発展している。橋田次長は最後に、「PressReadyを運用しながらさまざまな機能を知り、想像以上に多くのメリットが得られることがわかってきた。今後も、FFGSにアドバイスをいただきながら、より効果的な活用方法を見出していきたい」と期待を込めた。












































