国府印刷社、「色変わるメモ帳」がP・Iショー&日本文具大賞で受賞
「楽しいサステナブル」で紙の新たな価値提案
印刷工程で生まれる余剰紙に新たな命を吹き込み、使うたびに表紙の色が変わる楽しさを加えた(株)国府印刷社(本社/福井県越前市、有定耕平社長)の「色変わるメモ帳」(実用新案取得済み)が、サステナブル文具として高い評価を獲得している。昨年の「プレミアム・インセンティブ(P・I)ショー秋2025」における「SUSTAINABLE SELECTION AWARD」大賞に続き、このほど「第35回 日本文具大賞」のサステナブル部門でも優秀賞を受賞。環境配慮にワクワクする体験価値を融合させた独自の発想は、アップサイクル商品の新たな可能性を示すとともに、「MEKURUシリーズ」としてラインアップを拡充しながら紙の魅力を発信している。

「色変わるメモ帳」は、印刷現場で発生する色上質紙などの余剰紙を中紙として活用し、その上に絵柄を印刷した透明の表紙フィルムを重ねることで、ページをめくるたびに透明部分の表紙の色合いが変化する仕組みを採用したアップサイクル文具である。使用する紙の組み合わせによって一冊ごとに異なる表情が生まれ、さらにページをめくるたびに新たな色彩を楽しめることから、「環境にやさしい文具」という枠にとどまらない、遊び心とデザイン性を兼ね備えた商品として支持を集めてきた。
サステナブル商品というと、「環境負荷の低減」という機能面に目が向きがちであるが、同商品が高く評価された理由はそれだけではない。余剰紙を再利用するという環境価値に加えて、「使ってみたい」、「毎日手に取りたくなる」という感性価値を創出した点にある。
今年6月に東京ビッグサイトで開催された「第37回 国際文具・紙製品展ISOT(ライフスタイルWeek夏2026)」で行われた「第35回 日本文具大賞」の表彰では、審査員から「環境への取り組みに、色の変化というワクワクする体験価値をプラスしたアップサイクル商品。堅苦しくなりがちなエコというテーマを、日常の楽しさや彩りへと変えてくれるアプローチを高く評価した」と講評された。
日本文具大賞では、環境配慮だけでなく、製品が生まれた背景や、それを使う人の暮らしまでを含めたサステナブル性が重視されたという。その視点から見ても「色変わるメモ帳」は、紙という素材が本来持つ魅力を再発見させるとともに、日常に小さな驚きや楽しさを届ける商品として高い評価を得たのである。
さらに同商品は、昨年9月に開催された「第71回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー秋2025」の「SUSTAINABLE SELECTION AWARD」で大賞を受賞しており、今回の日本文具大賞優秀賞と合わせてダブル受賞という栄誉を手にした。販促・ノベルティ向けの展示会と文具向けの展示会という異なる分野で高い評価を得たことは、同商品のサステナブル性だけでなく、商品としての完成度や市場性の高さを裏付けていると言えそうだ。
「MEKURUシリーズ」へとラインアップを拡充
これらの高い評価を受け、「色変わるメモ帳」は一つの商品にとどまることなく、「MEKURUシリーズ」へとラインアップを拡充させながら発展を続けている。同シリーズは「めくるたびに新たな発見がある」というコンセプトのもと、紙が持つ表情や質感、偶然性を楽しむという発想を軸に商品展開を進めている。
同シリーズではレザック紙を使用したデザインメモや付箋、折り紙、机上に立てて使える日めくり型メモなどをラインアップしている。日めくり型メモは、表紙に設けた窓からその日に記入した目標や予定が見える構造となっており、毎日ページをめくる行為そのものを楽しみに変える工夫が施されている。また、余剰紙の活用範囲も色上質紙だけでなく、上質紙やコート紙へと広がり、アップサイクルの可能性をさらに広げている。

さらに、「MEKURU」の構造を応用した「和めくりアート」も誕生した。これは、越前和紙と透明フィルムを組み合わせることで、和紙を差し替えながら多彩な表情を楽しめるアート作品で、地域の伝統素材と現代的なデザインを融合した新たな紙製品として提案している。単なる文具という枠を超え、インテリアやギフト、インバウンド市場までを視野に入れた展開は、「色変わるメモ帳」から生まれた発想が、新たな市場を切り拓いていることを証明している。
紙の魅力を未来へ伝える新たな提案
有定社長は、今回の日本文具大賞の受賞に際して、「普段から紙に関わる仕事をしている中、紙の魅力をいろんな人に知ってもらいたいと考えている。このような賞を受賞できたことは本当に光栄で、携わってくれた社員や応援してくれた皆様に心から感謝している」と喜びを語った。
今回のダブル受賞は、単に一つの商品が評価されたというだけの話ではない。「印刷工程で生まれる余剰紙に新たな役割を与え、紙という素材の可能性を広げながら、人々の暮らしに彩りと驚きを届ける」という、同社が提案するサステナブルは、環境への配慮と体験価値を両立させる新たなものづくりとして、印刷業界に一つの指針を示したと言えそうだ。












































