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上六印刷、紙器パッケージ印刷の「検版体制の完成形」実現

プリプレスから印刷までの検査を連携
Package Compare KIT×CorrectEye SIS

 化粧品を中心とした高級パッケージを手掛ける上六印刷(株)(本社/奈良県生駒市高山町8916-15)は、アビッド・フレックス(株)の「Package Compare KIT」と(株)ジーティービーの「CorrectEye SIS」を連携させ、プリプレスから印刷までを連携した究極の検版環境を構築した。人手不足への対応や無処理版への移行を背景に、従来、人の目や経験に依存していた検版を自動化。刷版出力前から実際の印刷物まで各工程で検証することで、省人化と品質保証を両立するとともに、ヤレ版の大幅削減にも成果を上げている。

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大田副社長(左)と寺西工場長

 同社は、化粧品を中心とした高級紙器パッケージを得意とする印刷会社。創業から77年、一貫して化粧品パッケージやラベル・シールの分野で技術を磨き続けてきた。その中でも同社が追求してきたのが顧客やデザイナーが描くイメージを印刷・加工技術によっていかに忠実に具現化するかということだ。

 高級化粧品のパッケージは加飾も多く、同社が扱う仕事の7〜8割はプロセス4色だけでなく特色を使用する。用紙も一般的なカード紙にとどまらず、蒸着紙や透明シートなど多岐にわたり、それぞれの素材や仕様に応じた製版方法や印刷条件、高度な見当精度が求められる。また、フランスや米国の印刷会社とも技術提携し、情報交換や仕事のやり取りを進めるなど、技術力の向上に取り組んできた。寺西浩一工場長は「化粧品パッケージをとことん追求し、お客様のデザイナーが思い描くものをどのように具現化するか。今後もそこに注力していきたい」と強調する。

 一方、生産現場では人材確保が大きな課題となっている。コロナ禍以降、人手不足が一段と深刻化する中、同社では従来と変わらない生産量と品質を維持しながら、より少ない人員で生産できる体制を目指し、省人化への設備投資を積極化してきた。検版工程も、その重要な対象の1つであった。

 同社では、かつてのポジや青焼きによる検版から、入稿データと製版PDFデータを比較するデジタル検版へと移行してきた。しかし、その先にある刷版については、出力後に人の目で確認する工程が残されていた。出力間違いや版キズなどを目視で探し、問題が見つかれば再版する。しかも、刷版の目視検版には基本的に2人を配置し、それぞれ半日程度を費やしていた。

 そこへ新たな課題として浮上したのが、有処理版から無処理版への移行である。無処理版は刷版上の画像の視認性が低く、従来と同じ方法で目視検版を行うことが難しい。しかし、そのまま印刷現場へ送り、実際に印刷してからオペレーターに目視検査させるのは現場の負担が大きい。

 「無処理版へ移行するのであれば、印刷物を検査する仕組みとセットで考える必要があった」と工場長。そこで同社が目指したのが、単に目視検版を機械に置き換えることではなく、版下、面付け、RIP、そして実際の印刷物までを各段階で検証し、人の目だけに頼らず品質を保証する仕組みだった。

プリプレスと印刷の「分断」を解消

 その要求から構築されたのが、Package Compare KITとCorrectEye SISを組み合わせた検版・検査ワークフローだ。Package Compare KITが版下データから面付け、RIP済み1bitTIFFまでのプリプレス工程を検版し、CorrectEye SISがデジタルデータと実際に刷り上がった印刷物を比較する。

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 しかし、同社が求めたのは2つの検査システムをそれぞれ使用することではなかった。「最初の版下が正しく、最後の印刷物も正しいというところまで、一連の流れとして確認したい」(工場長)との発想から、プリプレスと印刷の検査を連携できないかとメーカー側に要望。両メーカーが検討を重ね、従来は分断されていたプリプレスと印刷の工程をつなぐワークフローが完成した。これについてアビッド・フレックスの川村真幸氏は「上六印刷様のワークフローは、もともとメーカー側にあった仕組みではなく、リクエストにより完成した非常に珍しいケースだといえる」と補足。またジーティービーの中塚学氏も「一般的にはプリプレスと印刷現場の検査はそれぞれ独立している。それが上流で検査したデータだけでなく箱の形状、位置、向きといった検査の範囲も含めて下流の印刷工程でも使える仕組みを構築できた。検査前の操作をさらに簡略化できたことは、今回の大きなポイント」と付け加える。

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アビッド・フレックスの川村氏

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ジーティービーの中塚氏