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[大印工組 70周年]ツナゲル〜ワクワクするぜ!印刷の未来

印刷の価値・可能性再考〜5月16日、リーガロイヤルで記念式典

 昨年7月20日に組合設立70周年を迎えている大阪府印刷工業組合(高本隆彦理事長)は、この記念事業として5月16日、大阪・北区のリーガロイヤルホテル大阪において「記念式典」を開催する。テーマは「ツナゲル〜ワクワクするぜ!印刷の未来」。当日は、300名の参列を予定している。また、10月には記念イベントとして「PRINT LOVERS OSAKA 2025〜未来を刷る、愛とアートで。」を開催。価格競争から価値協創へと印刷業の在り方をアップデートし、自社価値を内外に発信する展示会を目指す。

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高本理事長

 昭和29年に「大阪府印刷工業調整組合」として設立され、昭和33年7月に団体名称を「大阪府印刷工業組合」として認可された同工組は、昨年7月に70周年を迎えている。大阪の印刷産業とともに歩んできたこの歴史について執行部は、「幾多の挑戦を重ね、智恵と技術を磨き続けてこられた先達が『ツナゲル』ことで築かれてきたもの。その歩みに深く感謝するとともに、その想いを次世代へと『ツナゲル』ということが我々の使命である」としている。

 5月16日に挙行される記念式典は、この「ツナゲル〜ワクワクするぜ!印刷の未来」をテーマに掲げ、業界の未来をともに考え、新たな価値を次世代へと「ツナゲル」機会になることを目指す。

 高本理事長は、「『ツナゲル』というテーマは、『印刷+α』を実践できる可能性を包括している。あえて『ツナガル』という受動的な言葉ではなく、自らの強い意志で他者と能動的に『ツナゲル』という想いが込められている」とした上で、「情報ツールとしての『実用性』から、『感情に触れる』『記憶に残る』『共感を呼ぶ』といった『意味性』が強く求められるようになるなか、手に取れる質感、紙の温もり、感性に訴えかける印刷の表現力が、コミュニケーションの中でより深い意味を持ち始めている」とし、印刷の未来の可能性にフォーカスした記念事業にしたい考えを示している。

 「当日は70年の軌跡を振り返るとともに、『我々が未来に何を残せるか』という視点を持って、印刷が生み出す『新たな価値』に触れ、未来への『ワクワク』を感じていただければ幸い」(高本理事長)

 なお当日は、13時30分から令和7年度通常総代会が開催された後、記念式典は15時の開幕となる。式典では、特別功労者顕彰、組合功労者表彰、業界功労者表彰、理事長特別表彰、感謝状贈呈、支部功労者表彰、優良従業員表彰、増強運動優秀支部表彰(詳細別掲)が行われ、17時から祝賀会が催される。

記念誌代わりにカードゲーム配布

 今回、70周年の記念誌発行の計画はないが、式典参列者には大印工組の歴史をコンテンツにしたカードゲーム「レキシーズ」が配布される。

 これは、高本理事長が代表をつとめる大興印刷(株)が毎日新聞社と共同で企画する、歴史に特化したカードゲーム。昭和元年から昨年までのエポックメイキングな出来事を毎日新聞社がピックアップし、40枚のカードにしている。カードの表側の写真を見て、その出来事を想像し、時系列に並べていくというゲームで、カードの裏にはその出来事についての解説が書かれている。

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カードゲーム「レキシーズ」

 このカードゲームの魅力のひとつは若年層とベテラン層がコミュニケーションを図れる点。また、汎用性があるため、様々な場面においてオリジナル版への展開が容易である点も挙げられる。今回、この「レキシーズ」のコンテンツを大印工組の歴史にアレンジしたものが配布されるという。

 「大印工組70年間の出来事に加え、歴代理事長のカードも入っている。式典当日も祝賀会の各テーブルにおいてこの大印工組版『レキシーズ』でワイワイ遊びたいながら親睦を深めることができれば」(高本理事長)

 近々、この「レキシーズ」のフォーマットを組合員に開放し、各社がそれぞれのクライアントに提案・販売できるような仕組みづくりも検討していくという。「私は常々、仕事とは『可能性を拡げること』だと考えている。周年史という印刷物も『印刷+ゲーム』というプラスαで考えると『周年史をゲームで提案する』そして、それは『世代を超えて歴史を学べるゲーム』になる。ここに印刷のひとつの可能性を感じていただければ幸い」(高本理事長)

10月に記念イベント開催

 「年々3〜5%のマーケットがシュリンクしている。単年の5%は耐えられるが、10年後にこの需要喪失は35%におよぶ。ここを理解し、未来を考える必要があり、組合はこの視点を持って『可能性を拡げる』をテーマに事業を展開している」と話す高本理事長。そこで今回、浦久保康裕前理事長をリーダーとする「70周年記念事業プロジェクトチーム」を立ち上げ、2025年10月17日(金)・18日(土)の2日間、大阪・福島区の堂島リバーフォーラムにおいて展示会イベント「PRINT LOVERS OSAKA 2025〜未来を刷る、愛とアートで。」を開催する。

 印刷に魅了され、印刷の力を知るアーティストやクリエイターと共に互いの創造の可能性を拓くパートナーとして、アート作品の新たな魅力を引き出す印刷の表現力を訴求していく。そのような「印刷を愛する人々が集い交わる場」を目指す。

 また、これら大印工組の活動を通じて生まれる、印刷の新たな可能性をもったプロダクトや、そのプロセス・成果を発信するメディア活動を「PRINTICA(プリンティカ)」と名付け、印刷の価値を再発見し、広く社会に届けていくための継続的な取り組みにしていく考えだ。