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PlateART GmbH、ドイツ5万以上の世帯の暮らしに新風を吹き込む

2023年9月15日

2台のIJプリンタ活用[swissQprint Nyala3&Impala3]


 ドイツのバート・カールスハーフェンに本社を構えるインテリア装飾のPlateART GmbH(CEO:Daniel Hähner氏)は、部屋のアクセントになるオーダーメイドの浴室用・キッチン用のパネル、壁紙の提供によりドイツの多くの家庭を優美に彩っている。その壁紙などの出力業務に活用されているのが、swissQprintのワイドフォーマットインクジェットプリンタ「Nyala3」と「Impala3」だ。同社がビジネスの基礎としている「人々は生活空間に自分らしいスタイルを取り入れて楽しむ」という消費者ニーズを実現できるプリンタとして高く評価しており、これまでにドイツ5万以上の世帯の暮らしに新たな風を吹き込んでいる。

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Nyala3の前でPlateARTのスタッフ


浴室用パネルのデザインがサクセスストーリーの始まりに


 同社の創業者でCEOのDaniel Hähner氏は、数年前に壁紙のデザイン会社と提携していたとき、アイデアを思いついた。壁紙が機能しない場所、つまり湿気の多い部屋や屋外などで、グラウトの継ぎ目がない滑らかで装飾的な壁紙を使ったら、どのように見えるかを想像したのである。

 そして、浴室用パネルを初めてデザインした2016年、同氏のサクセスストーリーが始まった。それから間もなく、氏はマーケティング会社としてPlateARTを設立し、既存のビジネスを改変した。元々は伝統のあるプリントショップで、プリント製品の代理店であったPrint-itが現在は制作会社となっている。その業務の中心となっているのが、2台のswissQprintのフラットベッドプリンタで、ワークフローはこの2台のプリンタを中心に構築されている。


ライフスタイル製品としての壁紙


 同社がビジョンとしているのは、人々の生活空間美化を手助けすることである。セールス&マーケティング担当のFrank Handras氏は「私たちは壁紙に特化し、市場で最高の品質を提供することを追求している」と話す。主な販売チャネルはオンラインショップで、クライアントである生活者は好みの浴室用パネルやキッチンのパネル、壁紙を選ぶことができる。「お客様は必要に応じて電話でアドバイスを求めたり、お店に直接足を運ぶこともできる」と話す。

 また、同社の店内にはショールームとして120平米のバンガローがあり、同氏は「女性はデザインに重点を置く傾向があり、男性は技術的な側面や組み立てに関心があります」と見解を述べている。クライアントの60%はDIYの愛好家で、その他は、浴室・水道工事業社、キッチンデザインスタジオ、ホテルなど、デザインコンセプトにパネルを取り入れている企業となっている。

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PlateARTの工場


オーダーメイドのトータルパッケージ


 同社では、クライアントの希望のサイズに合わせての製造に対応している。プリントする前にCNCカッターでボードを注文されたサイズにトリミングするという。Frank Handras氏は「規格のサイズは特にない」と話す。クライアントは、既製品の幅広いデザインから選ぶことができるほか、同社にオリジナルのモチーフを送ることもできる。

 同社では、最終的に製品を組み立てるためのアルミフレーム、取り付け用接着剤など、必要なアクセサリーを提供している。最良の手入れのためのオレンジオイル配合のクリーナーも付属している。Frank Handras氏は「このクリーナーを使うと汚れがなくなり、プリント物の状態を保持し、オレンジとレモンの爽やかな香りが心地よく残ります」と笑顔で話す。


プレミアムメーカーとして、環境保護は重要なポイント


 そして、同クリーナーは、海から採取されてリサイクルされた素材である「海洋プラスチック」で作られたボトルに入っている。製品の出荷に使用される頑丈なパッケージは、板紙と木材から作られた完全プラスチックフリーとなっている。「プレミアムメーカーとして、私たちは環境保護を重視している」(Frank Handras氏)。また、これは同氏にとって個人的な関心事でもあるようで、「私たちは、環境にやさしくリサイクル可能な新素材を常に探している」と話す。

 「インクのGreenguard Gold認証は重要なポイント。当社は一般家庭だけでなく、病院、幼稚園、介護施設、キッチン、レストランなど、有害物質の排出を最低限に抑えなければならない場所向けにも製品を製造している」(Frank Handras氏)


クリエイティブなアプリケーションを提供


 同社の製品イメージ作成ページは、海をテーマにしたものや、山の風景や建築物、石の外観、植物のモチーフ、オーナメント、単色のデザインなど、膨大な種類のモチーフを提供している。Daniel Hähner氏は「現在、ゴールドとグロスの効果に対する大きな需要があり、Nyalaでどのように実現できるかを考えた」「私たちは常にトレンドをモニターし、デザインの幅を広げている」と話す。

 そして、このようなデザインを生み出すのに役立っているのが、swissQprintの2台のインクジェットプリンタの多用途な構成であるようで、エフェクトバーニッシュや、滑らかなグラデーションを生み出すのに役立つライトカラーを搭載しているという。


ドイツ5万以上の世帯の暮らしを優美にする2台のプリンタ


 また、同社ではクライアントもエキサイティングな取り組みを行っているという。2022年末時点で、同社はドイツの5万以上の世帯の暮らしに新しい風を吹き込む貢献をした。同社のウェブサイトにあるカスタマーギャラリーには、その事例が紹介されている。その中でDaniel Hähner氏は、まるでカリブ海にいるかのようなプールを持つ個人のクライアントについて語っている。同氏自身も庭の古い壁を石材風のパネルで改修したようだが、同社のクライアントも同様に同社の製品を愛用しており、例えばハルツブルクのSole-Therme Bad社は、スパプールのひとつに滝のような錯覚を起こさせる仕掛けを施しているという。設置は通常、広い壁面をシームレスにカバーするため、複数のパネルを面一にして行うという。

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実証済み、テスト済み、一貫性あり


 同社がプリントできるのは、様々な表面仕上げを施した3mmのアルミ複合パネル、または硬質フォームボード。どちらの場合も最大サイズは3×1.5m。PlateARTは製品に5年間のメーカー保証を提供している。Daniel Hähner氏は「スクラッチやクリーニングに対する耐久性を徹底的にテストし、一部はラボでも行った」と説明する。色の再現性に関しては、ImpalaとNyalaで並行してプリントできることを高く評価している。

 「常にキャリブレーションを行わなくても、長期にわたってマシン間の一貫性も保証される」(Daniel Hähner氏)

 同社がImpalaとNyalaを導入する以前、プリント業務を外注していた初期の頃は、色のばらつきが大きな問題であったようだが、この2台のプリンタはクライアントを満足させる色の一貫性もさることながら、マシンの信頼性も高く評価しているという。

 「10時間から12時間のシフトでも、生産は保証され、メンテナンスのダウンタイムも予見可能である。それは喜びでもあり、安心でもある」(Daniel Hähner氏)

 swissQprintとの交流も楽しみの1つのようで、初めてswissQprint社ドイツを訪問したとき、同氏は直感的に感じたという。「お客さまを幸せにする」という、同じ哲学を持つ会社であることを...。

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