部署に必要な「気軽に話せる人」の存在
共同印刷(株)は、全国の従業員1,000人以上の企業に勤務する20〜40歳、1,840人を対象にエンゲージメント向上や離職率防止につながる要素を明らかにするため「勤務先へのエンゲージメント」に関する意識調査を実施し、このほどその調査結果を公表した。
「あなたは自分が働いている勤め先に対し、どの程度思い入れや愛着を感じますか?」については、勤め先に愛着を「感じている」「どちらかといえば感じている」との回答が41%、「感じていない」「どちらかといえば感じていない」が32%となった。また、若手は会社への愛着はやや弱いものの、全体としてエンゲージメントと年齢層に相関関係はみられなかった。
「あなたの会社に、仕事に関して気軽に話しかけられる人は何人程度いますか(部署内)?」では、勤続1年以上では、部署内で気軽に人が「いない」と回答した割合は12〜15%程度で推移した。
仕事について気軽に話せる人が「いない」と回答した人のうち、会社に愛着を「感じていない」と回答した人が43.1%にのぼった。「3人未満」では、愛着を「感じていない」が19.9%と半分以下になる一方、「感じている」「どちらかというと感じている」の割合は急激に上昇している。さらに、それ以上(3人以上)になると、愛着を「感じていない」人の割合は、気軽に話せる人の人数に関係なく11〜13%程度で推移している。
この結果から、1人でも部署内に話せる人がいるとエンゲージメントは大きく改善することが確認できた。
次に「あなたは現在の会社からの離職・転職をどのくらい考えていますか?」については、部署内に仕事について気軽に話せる人が「いない」人のうち、「1年以内に転職・離職したいと考えている」は17.6%であったが、1人以上いると割合は大きく低下し、4〜10%程度におさまっている。これらから、1人でも部署内に話せる人がいることはエンゲージメントだけでなく、離職・転職意向にも大きく影響することがみえてきた。
同調査の結果により、部署内に気軽に話せる人がいることはエンゲージメント向上と離職・転職意向に影響することが確認できた。このことから、企業は従業員が気軽に話せる人を増やせるようにサポートすることで、従業員の会社への愛着を高め、働き続けてもらえるようになると考えられる。一方でエンゲージメントが高い人でも離職・転職は考えているとの結果もでており、エンゲージメント以外の離職につながる要素を見つけ出すことが離職防止には必要となる。
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