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ニッタ、製本ライン用ベルトのエンドレス工具を提供

時間コストとメンテナンス費用を削減

 搬送ベルトの突然の切断--。メーカーへ修理の連絡を入れ、その日のうちに修理に来てもらえたとしても、その間の数時間はそのラインは仕事がストップしてしまう。短納期化がますます進む昨今、その数時間が納期遅れに影響を及ぼすこともあるかも知れない。さらにメーカーに修理を依頼すれば、当然ながらメンテナンス費用も発生してしまう。

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エンドレス作業のイメージ

 ニッタ(株)(本社/大阪市浪速区)では、ユーザーのこのような不安を解決する製本ライン用のエンドレス工具を用意している。接着剤不要で環境にもやさしい「エコ工具」となっており、昨年のdrupa2024でも紹介された。エンドレスの時間とコストを削減できる画期的なツールとして注目されている。

 同社では、製本ライン用ベルトとして、紙搬送に適した摩擦係数、搬送物を傷つけないソフトな表面布、フィンガー継手、寸法安定性などを特徴とする各種ベルトをラインアップしている。中綴製本機の丁合部や供給部、突上部、デリバリ部、インフィード部、三方断裁機、スタッカー部、丁合機の垂直搬送部。紙折機のフィード部などに使用されている。

経験不要、いつでも、どこでも簡単エンドレス

 そして、これらのベルトが突然切断した際、経験がなくても現場で簡単にエンドレス作業が行えるのが、同社が「エコ工具」として推奨するエンドレス工具である。接着剤が不要のため、昨今のSDGsにも貢献する。作業手順も至って簡単で、温度と圧力をかけて「ホット(加熱)プレス」により接着する。所用時間は10分程度である。

 なお、このエンドレス工具には、フィンガーパンチャー、フィンガー継手用ホット(加熱)プレス、クーリング(冷却)プレス、プリセッタ、クランプ金具(2個)、専用ケースがセットされている。

【作業手順】
 エンドレス作業は次の手順で行う。

(1)フィンガーパンチャーで継手を作る
・ベルトの長さを確認
・ベルトを左端に沿わせてセット
・レバーを下ろして一発打抜き
・プリセッタで仮固定
・ベルトが曲がらないように固定
・継ぎ手に隙間ができないよう突き合わせる
・クランプ金具で左右を固定

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(1)フィンガーパンチャーで継手手抜き

(2)ホットプレス(加熱)
・エンドレス温度を高めた状態で加熱(約4分)
・プリセッタ全体に均一に圧力が掛かるよう奥まで挟み込む

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(2)ベルトをプリセッターに固定してホットプレスで熱圧着

(3)クーリングプレス(冷却)
・同様に均一に圧力を掛けて冷却(約5分)
以上で作業完了。所要時間は約10数分。現場での迅速な対応が可能となる。

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(3)冷却プレスでエンドレス終了

 突然のライン停止という現場の不安に対し、誰でも簡単に対応できるこのエンドレス工具は、時間・コストの両面で大きなメリットをもたらす。短納期化が進む製本業界において、現場の即応力を高める「安心の備え」として、今後ますます注目されるだろう。

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