応援広告のポテンシャル市場は769億円
(株)ジェイアール東日本企画の「jeki応援広告事務局」は、推し活の実態と応援広告の浸透状況を把握するため、全国規模で「推し活・応援広告調査2024」を実施し、その結果を公表した。
まず、推しの記念日に行うことについて調査したところ、1位はSNSでの投稿、2位は市販のケーキを用意すること、3位は応援広告の企画・出資・見学であることがわかった。応援広告とは、推しの誕生日や記念日にファンが広告主となって推しを祝う活動で、推しの特別な日を「広告」を通じてお祝いする文化が広がっていることが明らかになった。
応援広告の認知率は、推しの有無に関わらず19.5%に達していることがわかった。とくに推し活をしている人の認知度は59%と高く、実際に見たことがある人も27%にのぼる。
推し活実施者の認知度では、昨年より14.7ポイント増加しており、推し活をする人々の間で応援広告がますます広く知られ、目にする機会が増えていることが明らかになった。
また、地域別で最も認知度が高いのは東京で25.6%、また応援広告の掲出数も最多であった。一方、認知度が最も低かったのは福井県だが、それでも12.7%と10人に1人が認知している結果となった。
応援広告の実施理由として最も多かったのは、「ファン同士で盛り上がりたいから」であり、実施後、80%のファンがファン同士のつながりが深まったと感じている。
応援広告実施後、主催者・出資者の86.8%がイベント参加やCD購入などの推し活への支出が増加し、89.1%が推しをさらに応援したくなったと感じている。また、応援広告を見た60%が応援対象者に興味を持ち、74%が推しをもっと応援したいと回答している。応援広告は、出した人だけでなく、見た人にも影響を与え、コンテンツ活性化につながる効果があることが確認できた。
応援広告のポテンシャル市場は、約769億円と試算され、推し活市場規模(約8,000億円)の約10%、屋外広告・交通広告費(約4,338億円)の約18%に相当する。企業ではなく一般のファンが広告主となる応援広告は、今後さらに拡大していく傾向にあると考えられる。日本における応援広告は、駅ポスターの掲出が主流だが、近年では推し電車や飛行機ラッピングなど、多様で大規模な広告展開へと広がりを見せている。
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