紙・板紙市場に関する調査を実施
(株)矢野経済研究所は、国内外の紙・板紙市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
2023年の紙・板紙市場は、前年に実施した価格改定が需要を押し下げ、年間を通じて需要は低調に推移している。新聞用紙や印刷・情報用紙といったグラフィック用紙の出荷量は一段と減少傾向を強め、また、コロナ禍の巣ごもり需要の一巡や物価上昇による個人消費の低迷を背景に、板紙も減少に転じている。加えて、板紙はアジア圏の需要低迷、市況悪化などが影響し、輸出も大幅減となっている。
こうしたことから、2023年の紙・板紙の出荷量(国内出荷量+輸出)は比較的大きな幅で減少する見通しとなる。
ポストコロナを見据えた紙パルプ産業の行方は?
同調査では、総じて2023年の紙・板紙需要は後退局面だったとしている。それを引き起こしたのは、前年に製紙メーカー各社が実施した複数回に渡る価格改定であることは間違いない。しかし、価格改定は製紙メーカーにとって、現在推進している事業構造改革や経営基盤強化においては必須の施策であった。その意味では、2023年は変革に伴う「痛み」であったとしている。
一方で、この需要後退局面は2024年も続く可能性があるとしている。現時点において、物価高のマイナス影響は最大の懸念材料となっており、人件費や物流コストの増加が想定される中で、それと相まって物価上昇圧力の強い状態が続くことも考えられるという。
紙や板紙のユーザーである企業においても、販促費や包装・梱包資材費、備品経費など、あらゆるコスト抑制の動きは続くと見ている。また、家計の節約志向が強まることで、個人消費の伸びが抑制される可能性も高いという。
同社では、この需要後退局面は一過性で終わるのか、それとも、さらなる減少の始まりなのか、今後、紙・板紙の各品種においての回復力が問われていくと考えるとしている。
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