トヨテック自動給紙カッティングプロッター導入でダイカットの生産性強化
カタログ補助金活用し、2月に2台目を導入
自動化と精度を求めた設備選定
こうした背景の中で同社が着目したのが、トヨテック製の自動給紙カッティングプロッターである。シール加工の自動化を実現できる装置として、複数メーカーの機種を比較検討。実際に機械を借り受け、現場でテストを重ねた。
比較のポイントとなったのは大きく3つ。第1にカッティング精度、第2に安定稼働性、そして第3に操作ソフトの使いやすさである。とくに日常運用を考えた場合、オペレーションの分かりやすさは極めて重要だ。複数の担当者が扱う現場では、属人化しないUI設計が欠かせない。
その結果、最終的に選ばれたのがトヨテック製自動給紙カッティングプロッター「DG-4060Ⅱ」である。同社の佐々木謙氏は「カットの精度が高く、アプリケーションも使いやすい。毎日同じ人間が使うわけではない現場では、誰が操作しても同じ品質を出せることが重要だった」と説明する。

また、他社機より価格は高かったものの、堅牢性や安定性を重視し、総合的な信頼性で上回ると判断。さらにソフト上での微調整が容易で、現場での再現性が高い点も評価の決め手となった。
強力バキュームが支える高精度カット。不良と手戻りを抑制
そして実運用において、同社がとくに評価するのがカッティング精度の安定性である。紙の印刷物は、PP貼りなどの後加工を挟むと、どうしてもデータ上の想定とわずかな差異が生じる。これがズレの要因となり、カット品質に直結する。そこで重要になるのが、現場での微調整のしやすさだ。「DG-4060Ⅱ」は、調整項目が分かりやすく、ズレが出た際も機械側で細かく詰められる点が運用上の安心感につながっている。
もう1つの強みが、バキューム性能である。ダイカットは加工が進むほど吸着面積が減り、用紙が浮きやすくなる。とくに後半工程や端部はズレが発生しやすく、意図しないカットずれが起こるケースも少なくない。これに対し、同機はメディアをしっかり吸着した状態で加工できるため、後半になってもカット精度が崩れにくい。「バキュームが強く、メディアが安定する。結果として不良が減り、検品で弾く数も減ってきた」と佐々木氏は話す。
さらに、自動給紙についても評価は高い。紙送りの安定性が高く、給紙時の引っ掛かりや紙詰まりが起きにくいという。「フィードのズレが少ないことは、最終的に品質にも効く。止まらずに流れることが何より大きい」と佐々木氏。短納期案件が集中する現場において、こうした安定性は生産体制の根幹を支える要素となっている。
ダイカット工程のボトルネック解消。2台目導入で生産体制を拡張
同社は現在、「DG-4060Ⅱ」をほぼフル稼働で運用している。朝8時から夜22時頃までシフトを組み、日々稼働させる体制だ。担当者を固定せず、複数名が扱える状態を前提にオペレーションを整備している点も、印刷通販ならではの考え方である。「特定の人が休むと止まるという状態にはできない。誰が操作しても同じ品質になることが重要だ」と森井社長は語る。
受注増の中心はシール関連で、とくにダイカット工程が順番待ちとなり、全体のボトルネックになりやすかった。ハーフカットを得意とする機械は別にあるものの、ダイカットは同機が最も効率が高い。マルチシールのように工程を連結して処理できる点も利点だが、ダイカットシールの注文が増えたことで、本来活かしたい加工が回し切れない場面も出てきた。そこで現場から「2台目が必要だ」という声が上がり、増設へと舵を切った。
2台目導入のタイミングを後押ししたのが、省力化補助金(カタログ型)への登録である。1台目導入時は対象外だったが、今回対象となったことでコスト面のハードルが下がり、意思決定を加速させた。「価格は高くても安定して動き、使いやすいものを選ぶ。結果として現場の標準化につながり、品質も揃う」と森井社長は話す。比較検討を重ねた上で、再びトヨテックを選んだ理由はそこにある。
堅牢性と遠隔サポートでダウンタイムを最小化。短納期体制を守る
短納期を武器とする同社にとって、最も避けたいのがダウンタイムである。特急対応では「止まること」が即、納期リスクにつながる。その点で同社は、トヨテックの筐体の強さと安定性を高く評価している。消耗部材の交換や軽微な調整はあったものの、「壊れて止まる」というレベルのトラブルは少なく、1台目を導入して以降、大きな不安なく稼働できているという。
サポート体制も導入効果を支える要素だ。困った時には遠隔で状況を確認し、その場で助言を受けられる。専門用語が分からない状態でも、要望を汲み取って対応してくれる点は現場の安心感につながる。「電話で伝えて翌日に訪問では、半日〜1日空いてしまう。それが一番怖い。遠隔で即対応してくれるのは助かる」と佐々木氏は話す。2台目導入を決断できた背景には、こうした運用面での信頼もある。
同社は今後も、世の中に残る「手元に残って嬉しい」印刷物やグッズの価値を追求しながら、より多くの顧客にサービスを届けていく考えだ。ダイカットの短納期ニーズに応える体制を下支えする設備として、「DG-4060Ⅱ」は同社の生産現場において活躍の場を広げていきそうだ。













































