「断裁機は製本・後加工の『肝』」[勝田製断裁機導入]
フィンガーセンサー搭載機を選択〜安全配慮は生産性向上に
「断裁機は陰に隠れた存在だが、製本・後加工の『肝』となる重要な役割を担っている」。断裁機の重要性をこのように語るのは、あさひ高速印刷(株)(本社/大阪市西区江戸堀2-1-13)の岡達也社長だ。同社は今年8月、20年以上使用していた断裁機を勝田製作所の断裁機に入れ替えで導入した。同断裁機にはフィンガーセンサーが搭載されているため、オペレーターは指詰めなどの怪我を気にすることなく、本来の断裁作業に集中できる。岡社長は「安全性への配慮は生産性向上につながると判断した」と導入に至ったポイントについて話しており、製本・後加工のさらなる効率化を推進していく。

同社の断裁設備は現在、勝田製作所が3台と他社製のものが1台。印刷製本グループの水野一郎課長は「私が入社した30年前には、すでに勝田製断裁機は設備されていたと記憶している」と話しており、勝田ユーザーとしての歴史はかなり古いと言えるだろう。
そもそも断裁機は寿命が長く、10年〜20年は普通に使用できる。このため、岡社長も「私が家業に戻ってから20年になるが、断裁機を買い換えたのは今回が初めて」とのこと。今回、勝田断裁機と入れ替えで出した他メーカーの断裁機についても「使おうと思えばまだまだ使えた。しかし断裁機はなかなか壊れないため、買い換えのタイミングが難しい。今回、現場から買い換えたいとの要望があったため、新しい断裁機に更新することにした」。基本的に、設備の導入については現場の意見を第一に尊重するのが岡社長の方針であるようだ。
今回、同社が導入した勝田断裁機には、フィンガーセンサー(オプション機能)が搭載されており、岡社長は「断裁作業の安全性が保証された分、オペレーターは本来の断裁作業に集中できるようになり、生産性向上につながると判断した」と話す。また、水野課長も「実際、オペレーターの精神的不安はかなり軽減されたのではないか」とフィンガーセンサーについて評価している。

商社から「勝田を選べば間違いない」と太鼓判
同社は社内一貫生産で様々な印刷・製本、関連サービスを展開する総合印刷会社。とくに小ロット冊子などの頁物を得意としており、「今ではオンデマンド印刷機がワンフロアを占めるまでになった」と岡社長。3台のオフセット印刷機のほか、オンデマンド印刷機はカラー4台、モノクロ2台を所有している。今年9月には、業界注目のプロダクションプリンター「Iridesse」も導入したようだ。
岡社長は「断裁機はいわば陰の存在。しかしオフセットでもオンデマンドでも避けては通れない工程が断裁であり、その断裁精度や生産性はそのさらに後工程にも影響を及ぼす。つまり、後加工の『肝』ともなる重要な役割を担っているのが断裁である」と、断裁工程の重要性を強調する。
そして、そのメーカー選定については「断裁機を買うのは初めてであったが仲介の販売商社からも『勝田製作所を選んでおけば間違いない』と太鼓判を押され、あえて別のメーカーを選ぶ理由も見つからなかった」(岡社長)と説明する。
