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マツモト、輪転インクジェットで卒業アルバム - SAMBAの写真再現性

富士フイルムの輪転IJプレス「Jet Press 2150CFG」前身機種導入事例
納期対応と利益率向上に寄与〜「小中ロットを連続で効率良く回す」

 学校アルバム製作で知られる(株)マツモト(本社/福岡県北九州市門司区社ノ木1-2-1、松本大輝社長)は2020年春、富士フイルムの商業印刷市場向け高速ロール紙カラーインクジェットプリンター「Jet Press 2150CFG」の前身機種である「11000 Inkjet Press」を導入。小中ロットを連続で回せる輪転タイプインクジェットプレス(以下「輪転IJ」)の生産効率と「SAMBAヘッド」の優れた写真再現性により、主力事業である卒業アルバムのさらなる納期対応や利益率向上を実現している。

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左から、デジタル印刷製本課・富岡良輔課長、松本社長、木下工場長

現在も売上の8割が卒業アルバム

 マツモトの創業は1932年(昭和7年)。学校用アルバムを製作する写真館「松本写真工芸所」として産声をあげた同社は、日本の高度経済成長を背景に、ベビーブーム世代(団塊の世代)の就学と、都市部への人口集中によって児童・生徒数が急激に増加したことで事業を拡大。積極的な設備投資とともに飛躍的な成長を遂げ、いまや全国トップクラスのシェアを誇る「卒業アルバムのマツモト」として知られる存在である。

 しかし近年、周知の通り年間出生数は減少の一途を辿り、2025年には約67.1万人となり、10年連続で過去最少を更新。この少子化問題は、当然のことながらマツモトの中核事業である「卒業アルバム」の需要に大きな影を落としている。

 この現状について、2022年に同社代表に就任した松本社長は、「現在も売上の8割が卒業アルバムだが、ここ数年はデジタル印刷、とくにインクジェット技術を起点とした商業印刷の事業も強化している。まだ『ブレイクスルー』とまではいかないが、様々な可能性を模索している段階」と説明する。

 同社がインクジェット技術をはじめて生産現場に取り入れたのが2011年。「少部数化する学校アルバムを、より高品質に」という狙いのもと、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720S」を最速で導入。その後、増設も行われ、現在はJet Press 720Sが1台とJet Press 750Sが1台稼働している。

 さらに、消費者ニーズの多様化・細分化が進む中で、2016年には輪転タイプのインクジェットプレスを導入。同機はミヤコシの筐体に富士フイルムのRIPを搭載した水性インクジェットプレス。当時について「正直、ロールのインクジェット機の仕事があったわけではなく、市場が見えていたわけでもなかった」と振り返る松本社長。そこでまず、無線綴じ機をインライン化することで小ロットの冊子物をターゲットにした。

 「出版系の仕事も新規で受注するようになる中、最も『ハマった』のが学参物。他社の参入もあったが、『小中ロットを連続して回す』という当社の技術ノウハウが競争力となり、現在も受注は伸び続けている」(松本社長)。

「画像の鮮明さ」で一択

 同社が考える輪転タイプインクジェットプレスへの投資の背景には、製造業における人手不足への懸念があった。「人口・労働者減少が慢性化しつつある社会において、輪転IJは一連の後工程をインライン化することで、省人化・省力化・短納期化を含めた効率向上への近道になると考える」(松本社長)

 そして同社は2020年春、富士フイルムの商業印刷市場向け高速ロール紙カラーインクジェットプリンター「11000Inkjet Press」(現在の後継機は「Jet Press 2150CFG」)を導入。その狙いは、小中ロットを連続で回せる輪転IJの生産効率を活かした高画質なカラー印刷物だ。

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Jet Press2150CFG

 同プリンターは、業界トップクラスの最速毎分150m(A4カット紙換算で毎分1,968ページ)での印刷を実現した輪転タイプのインクジェットプレス。

 搭載している高性能インクジェットヘッド「SAMBAヘッド」のノズルやインク流路は、サブミクロンの精度で加工するMEMSプロセスによって生産されているため、印刷時に微小インクドロップの滴量均一性と吐出方向の正確性を実現する。また、プリントヘッドのノズル付近のインクを絶えず循環させることで常に最適な吐出を維持し、長時間の連続印刷でも高い生産性を維持しながら、安定的に高画質な印刷が可能であるという特長を持つ。

 現在の運用においては、「MX-20は上質紙の文字物、富士フイルムのインクジェットプレスは写真画質が必要なカラー物」を基本として使い分けているというが、ここで特筆すべきは、この富士フイルムのインクジェットプレスで紙厚160kgの卒業アルバムの印刷を実践している点だ。

 「SAMBAヘッドを採用した11000Inkjet Pressの写真再現なら、卒業アルバムでも充分耐えうると考えた」と松本社長。卒業アルバムの印刷を前提とした「輪転IJの増設」における機種選択という意味では、「画像の鮮明さ」で優る富士フイルムの輪転インクジェットプレス「一択」だったようだ。

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