アイ企画、「現場参加型」検版で自動化加速〜校正を品質保証の付加価値へ
検版ソフト「PACKAGE COMPARE KIT」とWF自動化ソリューションを同時導入
フレキソ製版とパッケージデザインを手がけるアイ企画(株)(本社/大阪府守口市、友近卓也社長)は2026年4月下旬、アビッド・フレックス(株)が提供する検版ソフト「PACKAGE COMPARE KIT(パッケージ コンペアキット)」を製版会社として初導入した。ワークフロー自動化ソリューション「SWITCH」も同時に導入し、校正業務の自動化と省人化を加速させる。単なる検版の効率化ではなく、現場のアイデアを反映しながら運用を進化させる「現場参加型」の検版システムとして進めていく。これまで「正しくて当り前」とされてきた校正業務を、新たな付加価値として顧客に提供していく考えだ。

同社は1968年、この地で創業。創業当初は天然ゴムを職人が彫刻刀で削り、「みかん」などの文字を手彫りして製版する時代であった。当時の製版業は、優秀な職人をどれだけ抱えるかが企業力を左右する世界であったが、将来を見据え、1985年に現在のアイ企画として新たなスタートを切った。
同社が掲げたのは、単なるフレキソ製版会社ではなく、デザインワークを含めた前工程に重きを置くビジネスモデルである。印刷会社とブランドオーナーの間に立ち、両者をつなぐ「トライアングル型」のポジションを確立してきた。大型インクジェットプリンターが一般化していない時代に、オフセットの平台校正機を導入し、段ボールを展開したブランクスの状態でブランドオーナーが指定する色でカラー校正を行い、印刷前の段階で完成イメージを可視化。承認を得たうえで製版、印刷へと進める仕組みを構築した。
友近社長は「我々は単にフレキソ版をつくる会社ではない。ブランドオーナーと印刷会社の間に入り、デザイン承認から製版まで含めて価値を提供する会社としてやってきた」と話す。
その一方、前工程における責任領域が広いからこその課題もあった。校正段階で見落としがあれば、そのまま製版、印刷まで進んでしまう。品質保証の最前線を担う企業として、人の目だけに頼る検版体制には限界が見え始めていた。
製版会社では第1号の「パッケージコンペアキット」導入企業に
同社が製版会社として初導入した「パッケージコンペアキット」の最大の魅力は、一般的な検版システムとは発想が異なる点にある。
従来型の検版は、製版後のゲラとデザインデータを比較するスタイルが主流であった。しかし、それでは版が完成した後にミスが発覚することになり、手戻りやロスが発生する。とくにフレキソ印刷は、オフセット印刷と比較して版に関連する負荷が大きく、ミス発見のタイミングが遅れることによる影響は決して小さくない。
一方、パッケージコンペアキットは版を作る前の1bit TIFFの段階でデザインデータとの照合が可能である。版を製作前にミスを発見できるため、無駄な製版コストや手戻りを未然に防ぐことができるのが最大のメリットで、友近社長は「これが一番大きかった。従来は版ができてから比較していたが、パッケージコンペアキットは版を作る前のTIFFデータで照合できる。そのデータが正しければ、出来上がりも正しい。これは大きなコスト削減につながる」と評価する。
そんな同社がパッケージコンペアキットの存在を初めて知ったのは、昨年10月に開催された「JAPAN PACK2025」である。友近社長は「当社のお客さんから電話がかかってきて、『今、アビッドさんのブースにいるんだけど、すごいのがあるよ』と連絡があった」とそのときの様子を振り返る。
電話をくれたのは、大手コンバーターの技術部門担当者。品質要求の厳しい現場を知るユーザー自らが評価していたことが、導入判断を大きく後押しした。
「ずっとこういう仕組みを探していた。しかもお客さん自身が『これはいい』と言っている。お客さんが求めている価値を我々が代わりに提供できるのであれば、それは大きな武器になると思った」(友近社長)
アビッド・フレックスとの関係も導入を後押しした。同社はこれまでも「Pack#」や「フレキソ版管理ユニット」などアビッド・フレックスが提供する製品を活用してきた実績がある。友近社長は「類似するシステムは他にもあるが、アビッド・フレックスとは長い付き合いがあり、これまでの提案でも成果が出ている。その信頼感もあり、安心して導入を検討できた」と評価する。
同社を担当するアビッド・フレックスの川村真幸氏は「コンバーターや印刷会社は、比較的自社のワークフローに組み込みやすいため導入しやすいが、製版会社は多種多様な仕事が入ってくるため、自社ワークフローに組み込みにくい面がある。それでも製版会社からの関心は従来から高かった。そうした中、実際に導入へ踏み切ってくれた製版会社がアイ企画様であった」と説明する。
そのため、導入1ヵ月の5月末現在、川村氏は同社の業務に合わせた立ち上げ支援を密に行っているという。
















































