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アイ企画、「現場参加型」検版で自動化加速〜校正を品質保証の付加価値へ

検版ソフト「PACKAGE COMPARE KIT」とWF自動化ソリューションを同時導入

「現場参加型」の検版で品質保証

 パッケージコンペアキットの導入によって同社が目指すのは、単なる検版作業の効率化ではない。属人化の排除、品質保証の強化、さらには現場を巻き込んだ「進化型」の検版である。

 これまで、同社の校正業務は人の目による確認が中心であり、その精度は作業者の経験値に左右される面が大きかった。

 友近社長は「経験のある人は細かな違いにも気づけるが、経験の浅い人は見逃してしまうことがある。それがそのまま印刷まで進んでしまえば大きな問題になる」と過去を振り返る。

 そして実際、現場ではアナログな校正作業が根強く残っていた。大阪製造部の今門課長によると、従来も検版システムは社内に存在していたものの、専用パソコンまで行かなければ作業ができないという課題があったという。

 「オペレーターは一日中、Macintoshの前で制作作業をしている。そんな中、わざわざ別の場所にあるパソコンまで行って検査するという流れが現実的ではなかった。結果として、どうしてもアナログな校正に頼ることが多かった」と今門課長は説明する。

 一方、パッケージコンペアキットは自席のパソコンから操作できる。この現場作業に溶け込める設計が、オペレーターにとっても大きなメリットになっている。現在、同システムは制作現場の8人が活用している。

 その効果として期待されるのは、まず作業時間の短縮だ。繁忙期には大阪の制作現場だけで1日100点ほどの版が発生する。1点あたり5分かかれば500分、実に8時間超の工数になる計算だ。しかも、繁忙期には専任の校正担当者1人が、ほぼ校正業務に張り付く状態だったという。

 「そこが改善されれば、残業時間の削減にもつながる。将来的には、残業しても1日1時間あるかないかくらいに抑えられるのが理想」と今門課長は期待を寄せる。

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社員の士気も向上している

 しかし、それ以上に大きいのが、「人の目」の限界を補完できる点だ。

 古井取締役営業部長は「もはや人の目で見る時代ではないと思っている。人の目には限界がある。パッケージコンペアキットなら、人が気づきにくい差異も検出できるし検査ログも残る。それをお客様への品質保証体制としてアピールしていきたい」と話す。

 さらに、検版作業にともなう精神的負荷の軽減も大きい。ミスが許されない確認作業は、常に高い集中力を求められる。そうしたストレスから作業者を解放し、本来の制作業務へ力を振り向けることができる。

 興味深いのは、この導入が現場の若手社員にも前向きに受け止められている点だ。昨年のJAPAN PACKには若手社員2人も同行しており、実機を見た際の反応も上々だったという。

 「自分のところで使えるとなると、いろんな活用ができると感じたようである。しかも、検査結果がどのように変わっているかが非常にわかりやすいレポートで返ってくる。そこも評価が高かった」(今門課長)

 そして現在は、現場が自らアイデアを出し合い、より実用的な使い方を模索している。川村氏は「現場から『こういう使い方もできるのではないか』という声がどんどん出てきている。こちらが決めた使い方を押し付けるのではなく、現場参加型の検版として進化している」と話す。

SWITCHとの連携で自動化を拡張し、「進化型」の検版へ

 今回の導入で特筆すべきは、パッケージコンペアキットの単体ではなく、他のシステムとのコンビネーションで導入しているところだ。ワークフロー自動化ソリューション「SWITCH」を同時に導入することで、検版作業そのものの効率化だけでなく、業務フロー全体の自動化を加速させることを狙いとしている。

 川村氏は「メーカーの垣根を超えて、どう連携すればお客様の利益につながるかを考えるのが我々の役割。確かにコストをかければ何でもできるが、重要なのは費用対効果を見極めた上での自動化である。『自動化をコーディネート』できることが我々の最大の強みである」と強調する。

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川村 氏

 「こんなことはできませんかと質問を投げかけると、すぐに川村さんがサポートしてくれる」(今門課長)。川村氏も「これまでのように、研修したとおりに使うのではなく、確実に現場参加型の検版として育っている」との手応えを話す。

校正を付加価値へ。1号機文化が切り拓く次のステージ

 同社が目指しているのは、単なる業務効率化ではない。取材中、友近社長が強調したのは、「価値創出」というキーワードであった。

 これまでの校正業務は、「正しくて当たり前」の仕事として扱われてきた。ミスなく仕上げることは当然であり、それ自体が評価されることは少ない。しかし、品質要求が高度化し、人の目だけに頼る確認に限界が見え始めた今、その考え方は変わりつつある。

 パッケージコンペアキットによる高精度な検版、SWITCHを組み合わせたワークフロー自動化、さらに現場参加型で進化を続ける運用体制─。それらを組み合わせることで、同社は校正業務そのものを新たな付加価値として顧客に提供する挑戦を続ける。古井取締役営業部長は「当社に任せていただければ、版下から検版まで含めて対応できることを営業の武器にしていきたい」と話す。単なる製版会社ではなく、品質保証まで含めた価値を提供する会社に変貌するのが同社の目的地だ。

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2025年に竣工した新社屋

 このような姿勢の背景には、創業時から受け継がれてきた企業文化があるという。

 友近社長は「創業者から教わったのは、とにかく業界で先駆けて新しいことに挑戦するという考え方だった。1号機を入れることで、自分たちで触って、自分たちで発見して、自分たちのやり方に育てていく。それが2番手、3番手にはない価値になる」と話す。今回の導入は、まさにその思想を体現したものだ。

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営業部のデスクはフリーアドレス

 昨年には大型投資を行い、新社屋を竣工。営業のフリーアドレス、多目的室による部署の垣根を超えたコミュニケーションなどを実現し、社員の士気も向上している。今後、同社が検版システムをどのように「進化」させていくのか、その動向が注目される。

【問い合わせ】
▽アイ企画(株)電話電話06-6992-1771

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