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富士フイルム、「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」

パッケージ製作に新風〜幅広いデジタル印刷技術で

POD機+ビジネスモデル提案も

 インクジェットプレスはロールtoロール後にラミネートや製袋という工程を経るので、ターゲットとなる受注ロットは1,000〜2,000メートル、袋で5,000〜1万枚となる。一方で極小ロット化の流れの中で500〜1,000枚あたりのニーズも増えつつあるという。そこで富士フイルムが提案するのがPOD機による「パッケージ・オンデマンド」だ。JAPAN PACKでは、クラフト紙やONYフィルム、エンボス紙などのチャック付きスタンド袋(規格袋)が展示されたほか、搬送機構がシンプルなため、チャック付きでも通紙できる「Revoria Press SC180/285」による印刷デモも行われ、別で印刷されたラベルを袋に貼り合わせる作業を行っていたジョブをターゲットに効率化を提案し、大きな注目を集めた。直近では、11月12日から新潟で開催された「フードメッセinにいがた2025」にも出展している。

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Revoria Press SC285

 現在、Revoria Pressの規格袋仕様機は4社・5台が稼働している。玉井氏は、「すでに、実際の運用を開始している会社では、コーヒーやお茶、サプリメントといった嗜好品を中心に50枚から受注し、多くの実績を挙げている」と説明した上で、展示会での来場者の反応について「とくにブランドオーナー側では『いまはこんな簡単にできるのか。これなら内製化もできるのでは』という反応があった。人手不足が深刻化するなか、スキルレス、多能工といった側面からPODへの興味も高まっているようだ」と語る。


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規格袋の印刷サンプル(Revoria Press)

 今後の販促展開について玉井氏は、「現在は、紙素材に限定されているが、フィルム対応への要望も多い。これに応えるべく、トナー定着のための改良、素材開発を急いでいる。また、販促支援の面でもユーザーからの期待が高く、POD機の提案と同時に受注獲得のための『ネット販売』というビジネスモデルをあわせて提案できる体制も検討している」とし、他社との差別化をさらに強化していく考えを強調している。