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視点の行方

コロナ禍でネット通販利用が加速

印刷ジャーナル 2021年12月5日

 (株)矢野経済研究所はこのほど、国内インターネット通販(主に消費者向け物販分野)市場の調査を実施し、商品・サービス分野別、参入企業の動向を明らかにした。主に市場における有力企業の2020年度の業績をもとに、矢野経済研究所が推計した2020年の国内消費者向けインターネット通販物販(BtoC)分野の市場規模は、約12兆1,960億円である。
 インターネット通販参入企業の売上高をみてみると、トップを独走するアマゾンジャパンの2019年の売上高は依然として圧倒的で二桁成長を続けており、他の追随を許さない。アマゾンジャパン以外では、ヨドバシカメラやZOZO、ビックカメラ、楽天(直販事業)、ユニクロなどが上位に位置する。2020年の緊急事態宣言下では、日常生活における食品の買い出しにも頻度や人数の抑制を求められた。こうした状況から躍進したのが、食品関連通販のオイシックス・ラ・大地である。
 コロナ禍による外出自粛の流れから、インターネット通販の需要は増加し、EC市場は大きく成長している。それにともない、市場競争が激化する中、顧客への迅速かつきめ細やかなニーズに対応した配送は、重要なサービスの1つとなっている。
 ネット通販企業は、増え続ける需要や取り扱い品目の拡大など変化に応じて、EC関連の設備投資や他社との業務提携を進めるなど、物流改善を行っている。大手3社の物流体制の進展を見ると、アマゾンジャパンは2020年にフルフィルメントセンターを4ヵ所新設。楽天は2020年12月に日本郵便グループとの業務提携を発表、ヤフーは2020年6月よりヤマトホールディングスとの業務提携により、出店ストア向けにフルフィルメントサービスとピック&デリバリーサービスを開始した。
 物流センターの増設や業務提携による物流体制の強化は、日本のEC市場が拡大を続ける上で欠くことの出来ない大きな要件となっている。