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視点の行方

企業ネットワーク運用管理の実施の有無は明確に二分化

印刷ジャーナル 2017年11月5日

 IDC Japan(株)は、国内企業ユーザーのネットワークに関する「企業のネットワーク機器利用 動向調査」の調査結果を発表した。国内企業874社を対象に、企業ネットワークの運用管理の実態や課題、企業ネットワークの将来像などに関する企業ユーザーの動向を調査した。
 今回の調査から、企業におけるネットワーク運用管理の実態が明らかになった。企業のLANとWANで運用管理を実施できていると考える企業は、LANは約30%、WANでは約40%程度存在しているのに対して、未実施の企業も同程度存在することが分かった。また運用管理項目の難易度によって実施状況に明確な差は見られず、実施しているかいないかの二者択一に近いことが明らかになった。
 また、近年企業向けネットワーク機器市場で注目を集めるクラウド管理型ネットワークシステムに関して、その受容性についてネットワーク規模との関連性が浮き彫りになった。クラウド管理型ネットワークシステムとは、ネットワーク機器をクラウドから設定、運用管理できる製品やサービスを指すが、無線LANの管理においては、アクセスポイント20台を超えると受容性が高まることが分かった。また、受容性が最も高いスイートスポットは「アクセスポイント21〜50台」であることも明らかになった。
 さらに、ネットワーク管理者におけるネットワーク機器ベンダーの認知状況についても調査。最も信頼するネットワーク機器ベンダーについて純粋想起による回答を集計したところ、シスコシステムズが最も高い認知を得ていることが分かった。また、バッファローやヤマハは中堅中小企業で高い認知を得ていることや、NTTのブランドの強さを再認識する結果になった。
 企業ネットワークの課題は、依然として多く残されている。過去の調査結果と比較しても、課題意識の高い項目はほとんど同じで、企業LANでは「配線の複雑化」、WANでは「管理者不在拠点のルーター運用管理」が最も大きな課題になっている。このような根強い企業ネットワークの課題に対してIDC Japanは「課題の解消がベンダーにとって大きなビジネスの機会となる。配線の複雑化に対しては、無線LANを訴求し、遠隔拠点のルーター運用管理には、クラウド管理型運用管理システムやSD-WANを訴求すべきである」としている。