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視点の行方

2億3,000万円の返還を指導

印刷ジャーナル 2017年7月5日

 中小企業庁は、このほど平成28年度の下請代金法に基づく取締状況、「下請かけこみ寺」事業、下請代金法講習会などの実施状況について報告した。
 平成28年度は、親事業者4万5,507社(平成27年度4万5,551社)に下請事業者25万5,277社(同15万7,735社)を加えた計30万784社(同20万3,286社)に対して書面調査を実施した。また、中小企業庁および地方の各経済産業局では、下請事業者から下請代金法に違反するおそれのある事業者についての情報提供や申告の受付を随時行っており、平成28年度は129件(同102件)を受け付けている。
 平成28年度は、1,006社(平成27年度1,053社)に対して立入検査を実施し、そのうち900社(同955社)に対して、書面により改善指導を行った。また、違反が認められた親事業者のうち296件に対しては、減額した下請代金、支払遅延に係る遅延利息等について、合計で約230百万円(同216百万円)の返還を指導している。
 違反の内容としては、実体規定関係の禁止行為の違反として「支払代金の支払遅延」、「下請代金の減額」が、また、手続規定関係の義務違反として発注時の書面の不備や未交付が多く見られ、これら禁止行為や義務違反に対し、改善指導を行った。また、下請代金法の違反行為が今後生じることのないよう、これらの親事業者に対して、社内における体制整備など再発防止についての指導を実施した。
 下請かけこみ寺の相談件数は、平成28年度実績で6,583件(平成27年度5,825件)となっており、その内容は「下請代金法」に関する相談件数が812件(同678件)、「建設業」に関する相談件数が1,395件(同1,295件)、「その他」が4,376件(同3,852件)となっている。
 平成年11月25日には、下請事業者との十分な協議による適切な対価の決定、年末の金融繁忙期における資金繰りへの配慮など、下請取引の適正化を要請するため、親事業者3万3,000社および関係業界650団体に対して、経済産業大臣および公正取引委員会委員長の連名で文書を発出。また、平成28年12月14日には、下請中小企業振興法に基づく振興基準の改正、下請代金の支払手段についての通達を改正するとともに、その内容の周知徹底などについて、平成28年12月20日付けで業界団体(約870団体)に、平成29年1月6日付けで親事業者(約21万社)に対して要請した。