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アトミ、刷版の基本性能が向上[SONORA XTRA導入事例]

2023年1月25日

「水が絞れ、刷りやすく、品質が安定」〜高難易度の仕事でも実力発揮
視認性・感度・耐傷性・耐刷性が向上


 (株)アトミ(東京都小平市小川東町5-13-19、髙橋学社長)は、コダック製品で統一した信頼性の高いCTPワークフローで、月平均1,500版のSONORAプロセスフリープレートを出力。「新しいSONORA XTRAは、環境性能に加え、印刷現場の使い勝手まで配慮した素晴らしい刷版」と高く評価している。

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TRENDSETTER MCU 1号機とSONORA XTRA

高付加価値・高難度の仕事に先進的な設備と秀でた人材で対応


 東京都小平市を拠点に活躍するアトミは、先進的な印刷技術を積極的に導入しながら、独自の地位を築き上げてきた気鋭の印刷会社。コダック製4-up CTP初期モデルの日本初導入をはじめ、省電力UV印刷機の世界初導入、広演色(RGB)印刷の採用など、同社が先鞭をつけた印刷技術は枚挙に暇がない。1969年の創立以来、規模を追うことなく、先進的な設備と優れた人材をもって、美術関係をはじめ他社が敬遠する高品位・高難度の仕事に向かいあいながら、卓越した印刷技術とスキルを自社の強みとしてきた。現在では地元多摩を中心に都内の教育機関、美術館、企業、研究所、自治体など幅広い顧客から高い信頼を獲得している。

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左から、有田 会長、髙橋 社長、村瀬 部長

徹底したテストの結果、2017年にSONORAを全面採用


 同社が初めてKODAK SONORAプロセスフリープレートに興味を持ったのは、2015年夏のこと。新技術の採用に積極的で高い環境意識を持つ同社は「廃液ゼロは長年の目標だった」と有田昌城会長が語るように、すぐにテストを実施したが、当時のSONORAは絵柄が見にくく、検版への不安から採用は見送られた。ミスが起こりやすい特色のノセやヌキの最終確認に検版が欠かせなかったためだ。ただ同社が指摘した検版の重要性は、コダックでも共有され、改良版の早期開発につながった。翌年、視認性を高めた改良版が出ると、ためらいなくテストを再開。同社では特殊原反(ストーンペーパー、アルミ蒸着紙、プラスチック素材など)や特色インキ(金、銀、白など)を多用した難易度の高い仕事が多く、KODAK STACCATOスクリーニングによる高精細印刷や広演色(RGB)印刷もあり、検証すべき項目は多岐にわたった。それでも実運用と並行しながら様々な仕事でテストを続け、2017年5月には自動現像機を完全撤去し、SONORAへの全面移行を果たした。髙橋学社長は「印刷適性をもれなくチェックしたので、不安は全くなかった」と当時を振り返っている。


SONORAの印刷品質を高く評価


 製造部部長の村瀬直之氏は、「印刷品質が抜群にいい」「網点はシャープで非常にきれい」とSONORAを絶賛した。現像処理によるドット変化がなく、品質が安定しているので「とくに高精細印刷で大きな強みになった」という。アナログ的な処理工程がなくなり、KODAK SQUARESPOTイメージングテクノロジーの能力が100%引き出されるようになったのだ。「きれいに刷れている」と顧客からも高評価を得た。SONORAの使い勝手についても、「印刷機の仕立てを変えることなく、有処理版と同じように刷れる。違和感は全くない」と村瀬部長は明言する。刷り出しの早さも今まで通りで、当時、最大5万枚の刷了実績も達成している。

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高品質・高難度の印刷物は同社の得意分野

新しいSONORA XTRAは基本性能が格段に向上


 2022年10月、コダックが新しいSONORA XTRAプロセスフリープレートを発表すると、同社はすぐに印刷テストを実施した。SONORA XTRAは、視認性、感度、耐傷性、耐刷性を大幅に改良したコダックの自信作だ。髙橋社長は「視認性は大きく改善し、とても見やすくなった」と称賛するが、視認性や耐傷性の向上は「新規採用を目指す会社のメリット」であり、5年以上使い続けてきた同社にとっては「従来品でも何ら問題はない」と指摘する。その一方、耐刷性については「一般紙・5万枚以上の仕事を余裕でこなせ、特殊紙では版交換の間隔が確実に伸びている」と手応えを感じている。また感度の向上は「ヘッドの長寿命化と省エネにつながる」と期待を寄せる。その上で、「従来品との最も大きな違いは刷版の基本性能だ」と髙橋社長は強調する。

 「新しいSONORA XTRAは刷版の基本性能が格段に向上している。水が絞れて、刷りやすく、印刷品質がさらに安定した。難易度の高い仕事でも、その実力を遺憾なく発揮する」

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A全判のLED UV印刷機(4色機2台・2色機1台)

 現場でもベテランから若手まで3人の機長が口を揃えて「刷りやすくなった」と評価している。村瀬部長は「SONORA XTRAの最大の特長は、印刷現場が使いやすい刷版になっていることだ」と断言する。しかも「水が絞れてインキが盛れるので、グロス感が明らかに違う」と品質向上にも貢献している。さらに「難しい広演色・高精細印刷でも平網のハイライト部分が飛びにくく、耐刷性は実質2倍以上に伸びている」という。今年手がけた難易度の高いイラスト本でSONORA XTRAが使えていれば、「苦労もなく、仕上がりも確実に良くなっていた」と村瀬部長は悔しがっている。


CTPワークフローをコダックに統一


 同社の製版部門では、イメージセッターの時代から長年にわたってコダック製品を使い続けてきた。現在は最新のPRINERGY WORKFLOWソフトウェアとTRENDSETTER MCU(マルチカセットユニット)で信頼性の高いCTPワークフローを構築し、月平均1,500版のSONORAを完全ワンマンオペレーションで出力し、3台のLED-UV印刷機(A全判4色機2台、2色機1台)に供給している。完全無処理化から5年が経って、印刷機は一新し、SONORAもまた大きく進化した。新しい技術の導入に二の足を踏む企業は多い。それでも同社は恐れることなく、つねに最新の印刷環境を構築しながら、未来へと前進を続けている。こうした同社のチャレンジを、コダックもまた革新的な技術開発で支え続けている。

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