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富沢印刷、アグフアの高耐刷ガム処理プレート「アダマス」採用

2021年9月15日

UV機で「安心の耐刷性」〜柔軟なスケジューリングが可能に


 日本アグフア・ゲバルト(株)(岡本勝弘社長)は、高耐刷性ガム処理プレート「Adamas(アダマス)」の国内第1号ユーザーとして、富沢印刷(株)(東京都荒川区南千住3-4-4、富澤隆久社長)に採用されたことを発表した。「アダマス」は、「アズーラ」で実績のあるガム処理方式を受け継ぎつつ、新開発の高感度フォトポリマー技術の採用によって、高生産性・高耐刷・UV対応を実現したプレート。2019年にUV機を導入した富沢印刷では、重い絵柄の実際の仕事でも複版なしで3万7,000枚の耐刷を確認。また耐刷力アップによって印刷機ごとに偏っていたジョブを平滑化することで、柔軟なスケジューリングを実現し、印刷現場の最適化による生産性向上に繋げている。


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アグフア・岡本社長(右)から「アダマス」第1号ユーザー記念の盾が贈られた


 「アダマス」は、サーマル対応プレートセッターで露光後、専用のクリーニングユニットでガム液を用いて不要な塗布膜を洗浄除去することで、画像コントラストに優れた高品質の刷版を得ることができるガム処理方式のCTPプレート。今年2月のpage2021において正式発表され、その後、フィールドテストを重ね、日本市場での適正を確認した上で、7月に国内販売が開始された。


 アルミベースの上に、フォトポリマー層+保護層の2層構造になっており、新開発の高感度サーマルフォトポリマー技術の採用によって、同じガム処理方式のアズーラと比較して、プレートセッターでの生産性、印刷時の耐刷性ともに大きく改善している。


 露光後のプレートの処理に使用するガム液のpHは中性であり、強アルカリ性の現像液は使用しない。アダマスプレート専用に開発されたクリーニングユニットはアグフア独自のデュアルガムコンセプトを採用し、洗浄用ガム液と仕上げ用ガム液を使い分けることで、クリーニングユニットのメンテナンス周期の長期化と、処理後のプレートの版面保護の強化を実現しているのも大きな特長である。


 出力後のプレートは検版性に優れ、ガム液で保護されていることから印刷までの取り扱いも従来のPS版/CTP版と同等で、ガム処理方式のメリットはそのままに、アズーラと比較して耐刷性能を大きく向上させている。


 今回、アグフアでは、この「アダマス」の国内第1号ユーザーとなった富沢印刷の富澤社長、テクニカルセンター長の渡邊寿孝氏、副工場長の佐藤四郎氏に独自インタビューを企画。アダマス採用の背景や導入効果について聞いた。なお、聞き手はアグフア営業本部の中野崇大氏が担当。

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[国内第1号ユーザー]富沢印刷インタビュー

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左から、富澤社長、渡邊センター長、佐藤副工場長


現像レスで「環境対応」と「省スペース化」


中野 ■ まず、御社の事業内容や特色、強みなどをお聞かせ下さい。

富澤社長 ■ 当社の創業は1960年、今年で61年目を迎える。創業当初ははがきや封筒をはじめ、名刺や事務用伝票類などを主としていたが、現在では、カタログやパンフレット、ポスターをはじめとするカラーの商業印刷が中心の業態となっている。

 また、印刷会社としての社会的責任を果たすべく「環境経営」に注力しているほか、最近では偽造防止印刷にも力を入れている。10月13〜15日、東京ビッグサイトで開催される「第92回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2021」に東京都中小企業振興公社のアレンジで出展することも決まっている。この機会に当社の偽造防止技術の総称「ぎぞらーず」のブランディングを展開したいと考えている。

中野 ■ 富沢印刷様には、長年アグフア製品をご愛顧いただいています。その採用の経緯についてお聞かせ下さい。

富澤社長 ■ 当社は2000年に4色機を導入したが、当時、製版・刷版工程は協力会社に依存していた。しかし、カラー化を推し進める中で内製化の必要性が高まり、アグフア製CTPシステム一式を2007年に導入。これを機にお付き合いが始まった。

 採用の決め手となったのは、現像レスプレート「アズーラ」を基点とした「環境対応」と「省スペース化」である。また、品質向上を目的として高精細スクリーニング「スブリマ」も同時に採用。直受注が約半数を占める当社のビジネスモデルにおいて、環境対応と高精細印刷は、大きな武器となっている。

 また、最近注力している偽造防止印刷においても、直接スブリマは使っていないものの、「高精細、あるいは網点のハンドリングに長けた印刷会社」というストーリー性を呼び、ひとつのブランディングの要素となっている。現在、金券や地域振興券、プレミアム商品券で多くの利用実績がある。

中野 ■ 当時、機種選択において他社製品との比較検討は実施されたのでしょうか。

渡邊 ■ もちろん、他社製品と比較した上で、プロジェクトメンバー全員一致のもとでアグフア製品に決まった。

 私から見て決め手となったのは、現像レスであるがゆえに網点のブレがないこと、環境対応していること、そして高精細「スブリマ」の技術が優れていたことが挙げられる。

中野 ■ また、当初は半裁機のみでしたが、2013年に菊全5色機を導入し、同時にCTPも全判化していますね。

富澤社長 ■ 当時は、仕事量が充分あったことから、日常の業務の中で半裁機での生産工程に限界が見えていた。

佐藤 ■ 当時は予定を組む段階で無理が生じるほど生産工程は逼迫していた。全判機による生産キャパの増強は必須だったと思う。


アズーラと何ら変わらない運用でストレスなし


中野 ■ それでは、アダマス導入についてお聞きします。まず、その経緯についてお聞かせ下さい。

富澤社長 ■ 2019年に菊全5色UV機を導入したのがアダマス導入に至ったきっかけである。


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2019年に導入した菊全5色UV機


渡邊 ■ アズーラが「TS」から「TU」になり、耐刷性が向上したことを受けて、UV機導入前にKOMORIの工場でテストを実施。2万枚通しの耐刷を確認し、まずは「TU」からスタートした。しかし、テストとは異なり、実際の仕事では絵柄や紙種は多種多様。なかには耐刷に課題があるジョブもあった。

佐藤 ■ もちろんテスト時と、朝から夕方まで機械を回す日常業務時の印刷機のコンディションは変わるため、耐刷にも誤差が生じる。「品質第一」を謳う当社では、あらかじめ複版を用意することもあった。

富澤社長 ■ そんな状況をアグフアに相談したところ、新プレート「アダマス」の紹介を受けた。2020年からスポットのテストを実施し、耐刷性の向上を確認、品質面にも問題ないことが確認できたため採用を決めた。


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デュアルガムコンセプトを採用したアダマス専用クリーニングユニット


中野 ■ 機上現像プレートは検討されましたか。

富澤社長 ■ 印刷業界においてUV化がさらに進むことが予想される中、当初は「UV適正で出遅れているアグフア製品を使い続けることは経営リスクにもなり得る」と考え、当然ながら他社プレートとの比較検討を実施した。結果、機上現像タイプは、非画線部が印刷機に与える影響に懸念があり、また印刷オペレータへの負担を考えると、これまで同様のガム洗浄タイプが当社に合っていると判断。当社はアグフアの「ファン」でもあり、発売のタイミングが間に合うようならば「アダマスに決めたい」という想いもあった。

中野 ■ テスト時の評価はどうだったのでしょうか。

佐藤 ■ アダマスはアズーラ同様、ガム洗浄タイプであるため、何も替えずに普段通りの運用でテストを実施したが、品質、耐刷性ともに良好な結果が出た。もちろんスブリマでの印刷も問題はなく、印刷工程においてプレートを変更することによるストレスはまったくなかった。

渡邊 ■ 製版側でもアズーラと何ら変わらない運用でストレスはない。アズーラ同様、視認性が高く検版もできる。


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左から岡本社長、富澤社長、中野氏


中野 ■ それでは、導入効果をお聞かせ下さい。

佐藤 ■ 前述の通り、以前は一部で複版を用意して対応していた仕事もあったが、アダマスに切り替えてからは、その必要もなくなり、UVのロングランの仕事でも安心して品質管理に集中できる。

 また、これまで長い仕事は油性機に振り分けていた分、稼働率の偏りがあったが、それを平均化できることで柔軟なスケジューリングが可能になり、工場全体の生産効率が高まった。

 当社でも重い絵柄の実際の仕事で3万7,000枚の耐刷、通常の仕事で4万枚までの耐刷を確認している。あえてそれ以上は試さなかったが、まだまだそれ以上刷れる感覚はあった。アグフアが示すスペックは7万5,000万枚。充分その耐刷性はクリアしていると思う。

渡邊 ■ CTPの出力スピードが向上し、製版現場としても生産性の向上に大きなメリットを感じている。


アグフアのデジタルサービスへの期待


中野 ■ アフターコロナに向けて、御社の次のステップや展望についてお聞かせ下さい。

富澤社長 ■ アグフアでは、CTPシステム製品以外でも多くのソフトウェア製品を提供しているそうだが、当社ではあまり利用してこなかった。しかし、アポジーがサブスクリプション方式で提供されることになったことで、今後はアグフアのデジタル技術への関心がより高まると思う。アフターコロナにおいてデジタル武装はより必要になってくる。今後は当社も、CTPシステムやプレート、ワークフローに加え、アグフアの付帯的なデジタルサービスも積極的に検討していきたいと考えている。

渡邊 ■ アダマスにおいては「国内1号ユーザーである」という自覚のもと、アグフアとともに製品レベルの向上に協力していきたい。

佐藤 ■ 印刷機の柔軟なスケジューリングが可能になったことで、日常業務に余剰時間が生まれた。今後、この時間を人材育成や技術研鑽のために費やし、会社全体のレベルアップに繋げたい。

中野 ■ ありがとうございました。

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