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ショールームを訪ねて|トヨテック、製本・ラベル・パッケージ分野向け製品展示

2019年11月15日

 (株)トヨテック(本社/千葉県野田市、豊田保社長)の「東京ショールーム」は、東京メトロ東西線「東陽町」より徒歩4分というアクセスの良さから、東京都内はもちろん、関東圏、また地方の企業でも気軽に立ち寄れるショールームとして活用されている。東京ビッグサイトや幕張メッセなどの展示会場へのアクセスも良いため、「展示会のついでなどでも気軽に立ち寄っていただきたい」と同社の豊田啓営業部長。現在の主な展示製品は、簡易製本機シリーズほか、自動給紙付きのカッティングプロッター、凹凸情報までスキャニングできる3Dスキャナーなどがある。豊田営業部長は「江東区には、拠点を構えているプリンターメーカーが多いため、後加工機だけでなく印刷機の情報も入ってくる。情報交換の場としても活用していただきたい」とさらに多くの企業に東京ショールームの活用を呼び掛けている。

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東京ショールームの前で豊田営業部長

展示会場にも好アクセス〜印刷機の情報交換などにも活用を

 同社の東京ショールームは、昨年8月に東京都江東区南砂の南砂商店街に開設された。同社はもともと、東京都葛飾区の地に昭和61年に創業した企業。主にフォトラボ業界の機器システム開発・販売を手掛けていたが、大きな機械を取り扱うにともない広い工場が必要となり、千葉県野田市に移転したという経緯がある。しかし、東京駅からは電車で1時間程度かかるため「遠方の企業からすると、1日仕事になってしまうため、気軽に来てもらうことができなかった。このため、立地ゆえに製品を見てもらうチャンスを逃しているもどかしさがあった」と豊田営業部長。その問題を解決するために開設されたのが、今回紹介する東京ショールームだ。

 同社では、東京ショールームを開設した時点では、手動の簡易製本機である「ファストバインドシリーズ」をより多くの企業に見てもらいたいという目的が第一であったが、それだけでなく、予想以上にそれ以外の商品の引き合いも多くなっているという。豊田営業部長は「当社がこれまで主力としてきた製本分野だけでなく、ラベルやパッケージ、壁紙、絵画の複製など、製本とは違う分野の認知度も広がってきた」と話しており、東京ショールームの開設は同社に思わぬ顧客マーケットの広がりをもたらしているようだ。

 もちろん、当初の目的である「ファストバインドシリーズ」を見てもらう機会が増えたことにより、販売台数も順調に増えているという。「これまで、千葉県の野田市までは来ていただけなかった企業にも、実際にデモンストレーションを見ていただき、『これならパートさんでも使えるね』と納得していただくことも多い」と豊田営業部長。現在、1週間に3社くらいの企業がファストバインドシリーズのデモを見に来ているようだ。

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簡易製本機「ファストバインドシリーズ」

 ファストバインドシリーズは、オンデマンド印刷機を持つ印刷会社などが少量の無線綴じや上製本に取り組む場合に最適といえる手製本のエントリーモデル。豊田営業部長は「地域密着型の印刷会社にとって、少量多品種の製本機はその特性を最大に生かせる商材と言える。旅行やウエディング、ペット、企業の研修旅行など、地元のイベントや行事のときに『ちょっとしたものが欲しい』といった声に応えるためのツールとして当社の製本機を活用しませんかと印刷会社に提案していきたい」と話しており、地元密着を活かすツールとして、まずはファストバインドシリーズによる無線綴じ・上製本を提案し、その印刷会社の生産量が拡大したときには、トヨテックが従来得意としているセミオート、フルオートの製本システムも提案していきたいという。

 現在、東京ショールームに展示されている主な製品はこのほか、自動給紙付きカッティングプロッター「DG4060」、3Dスキャナー「SURF3D」、植物性糊を使用する無線綴じ製本機「ECO-TOP」(新製品)の3製品で、この3点を中心に東京ショールームを展開していく。

 シール/ラベル業界、パッケージ業界に向けた自動給紙付きカッティングプロッター「DG4060」は、自動給紙とスタッカーが付いているのが特長。POD業界でよく使用されるA3伸びサイズで自動給紙付きのカッティングプロッターがないことに着目し、取り扱いを開始したという。

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自動給紙付きカッティングプロッター「DG4060」

 「コンパクトで効率良く全抜き、半抜きができる。小さめのパッケージや、少部数シールなどに活用できる。手動で筐体だけのものであれば他にもたくさんあるが、自動給紙付きで全抜き、半抜き、スジ入れ、罫線入れまででき、なおかつ500万円台という価格の製品は他にはない」と同製品の性能に自信を示す。現在、来年のpage2020に向けてロール対応のモデルを開発中とのことだ。

 また、3Dスキャナー「SURF3D」は、色だけでなく凹凸情報/グロス情報もスキャニングできる3Dテクスチャースキャナー。豊田営業部長は同スキャナーの特長について「普通のスキャナーはライティングを最初に決めてからスキャンするため、でき上がりが良くないとスキャンをやり直す必要がある。しかし、SURF3Dは、最初にスキャンしたときに全てのライティング情報を取得できるため、1回スキャンしたあとにモニターを確認し、どのライティングにするかを選択できる。このため、生産現場からは取り直さなくていいため非常に早く、時間短縮につながっていると評価されている」と説明。建材メーカーやUVインクジェットプリンターを所持する印刷会社などに好評であるという。

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3Dスキャナー「SURF3D」

 また最近では、雑誌やコミックなどの紙媒体プラスアルファの機能として、2Dと3Dを掛け合わせ、今までになかった新たな付加価値を生み出すツールとしても活用されているようだ。さらに同社は現在、その逆の発想として、レーザー加工機により「彫る」というニーズに対応する製品の取り扱いを模索しているという。

 また、新製品の「ECO-TOP」は、植物性糊を使用するセミオート・タンク密閉式無線綴じ製本機で、人にも環境にも優しい製品。製本後の背固め用のヒーティングユニットとセットで使用する。糊強度はPUR糊に匹敵する強さ。製本可能サイズはA4、ページブロック厚みは30mm。最大ページブロック幅は310mm。処理能力は120サイクル/時。豊田営業部長は「従来のEVAやPUR製本機に劣らない強度の仕上がりになる。簡単かつ省スペースで無線綴じをやりたいという企業にお勧めしたい製品」と話す。

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植物性糊を使用する無線綴じ製本機「ECO-TOP」

 なお、東京ショールームに展示していない製品については「本社にご案内させていただく対応をとっている。高速道路が空いていれば、30分程度で到着できる」と豊田営業部長。東京ショールームを東京駅からの中継地点として活用することで、よりきめ細かな顧客対応を図っていく考えだ。

東京ビッグサイト、幕張メッセにも好アクセス〜「展示会のついでに」

 東京ショールームがある江東区には、拠点を構えるプリンターメーカーも多い。このため、東京ショールームを構えてから、同社ではプリンターメーカーとの情報交換の機会が増えているという。豊田営業部長は「このため、後加工機だけでなく印刷機の情報も得やすい環境になっている。何かのついでに寄っていただければ、展示品以外のご提案もできるかも知れない」としており、気軽に雑談に来てもらうよう呼び掛けている。

 また、東京ショールームは東京ビッグサイトや幕張メッセなど、展示会場にもアクセス良好な地域。このため、「当社が展示会に展示していない場合でも、展示会の視察のついでなどで気軽に立ち寄っていただければ幸いである」(豊田営業部長)とのことだ。

 今後、東京ショールームでは自動化、無人化に寄与する製品の取り扱いを進めていく方針。また同社はこのほど、メンテナンススタッフを大幅に増員したため、「すぐに対応して欲しいという要望に、短期間で対応できる体制になった」と豊田営業部長。近年では、台風による河川の氾濫などで設備に影響が出るなどの事故も多い。そのような中、万が一の際にも安心して使えるメーカーを目指していくという。

【東京ショールーム】
▽所在地=東京都江東区南砂2-3-1(南砂商店街内)
▽連絡先=電話04-7121-0755(本社)

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