2023年の世界の広告費成長率は2.7%を予測
電通グループは、世界58市場から収集したデータに基づき「世界の広告費成長率予測」を取りまとめた。
2023年の世界の広告費成長率は2.7%を予測。デジタル広告は引き続き成長し、世界の総広告費に占める割合は過去最高の57.7%に達する見込み。また、2024年の世界の広告費成長率予測は4.6%、市場規模は7,528億米ドル(約111兆円)となる見込み。複数の大型スポーツイベントや多くの国で実施が予定される国政選挙などにより、クライアントにとって多くの広告機会が創出されることが予想されるため。さらに、媒体価格のインフレーションによる貢献も見込まれている。
2025年、2026年にかけても、世界の広告市場は堅調に成長し、それぞれ4.2%増の7,846億米ドル、4.3%増の8,184億米ドルを予測。また総広告費に占めるデジタル広告の割合は、2025年に59.9%、2026年には61.1%と、初めて60%台に達する見通し。
2024年の市場成長予想の背景には、UEFA欧州サッカー選手権やパリで開催されるオリンピック・パラリンピック大会といった大型スポーツイベントや、多くの国で実施される国政選挙などによる広告機会の創出、および媒体価格のインフレーションの継続が想定されるため。
媒体別では、デジタル広告費が2024年においても6.5%の高成長を維持し、世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は58.8%に達する見込み。テレビ広告は、2023年はマイナス4.0%の成長となるが、2024年以降は再びプラス成長に戻る見通し。2024年の成長率は2.9%の予測であり、特にコネクテッドTVが大きく成長する見込み。一方、継続して減少傾向にある新聞・雑誌はマイナス3.3%となる見通し。OOH(屋外/交通)、シネマ、オーディオは、それぞれ4.4%、6.4%、1.1%の成長を予測している。
2024年の日本の広告市場動向については、前回2023年5月発表の予測(3.2%)から0.7pt下方修正した2.5%の成長を見込んでいる。広告費全体に占めるデジタル広告の割合は45.8%を占め、主に探索連動型広告、動画広告、ソーシャルメディア広告が牽引。テレビ広告は広告費全体の23.5%を占め、2024年以降は徐々に回復が期待される。日本の広告市場は、今後も成長が継続し、2025年は3.6%の成長が見込まれる。
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