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NEW LEADERに聞く:「情報提供と教育」を核に - OGS 小幡利之理事長

2024年7月25日

 5月28日に開催された大阪府グラフィックサービス協同組合(OGS)第54期通常総会において新理事長に就任した小幡利之氏((株)TOP印刷社長)。前・岡達也理事長の意志を受け継ぎ、「情報提供と教育」を核とした組合運営を目指す。

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小幡利之 理事長


 小幡理事長がOGSに入会したのが10年前。公私ともに交流のあった大家一仁理事(シンカコミュニケーションズ)の紹介だったという。その2年後、当時、専務理事だった岡達也氏が理事長就任に際し、小幡氏を専務理事に選任。8年間、岡理事長の女房役として組合運営に携わってきた。

 今回、理事長職を承諾した背景には、岡本泰ジャグラ会長の存在があったという。

 「以前から理事長推薦の打診はあったが、私自身『器ではない』と思い、お断りしてきた。しかし、同年代である岡本氏が全国組織の会長として改革を実行し、業界をリードする姿を見て、尊敬の念と大きな刺激を受けた。それならば『大阪は任せてくれ』という思いがこみ上げ、理事長をお引き受けした」(小幡理事長)

 64社(6月17日現在)の会員で構成されるOGS。今後の組合運営について小幡理事長は、「8年間を共にしてきた岡前理事長が積み上げてき基本方針を踏襲しながらも、新たな活動で組織を活発化させていきたい」と抱負を語る。5月28日にホテル日航大阪で開催された総会では、新年度について「有益な情報提供、教育事業を実施し、多様化するメディア、変化する事業環境への対応力強化を支援していく」という基本方針を打ち出している。

 具体的には、2ヵ月に1度のペースで、セミナー・勉強会・会社見学など、その時々の「旬」なテーマを取り入れながら行事を開催。「会員は印刷以外のビジネスチャンスにも目を向けている。SNSや動画など、少し目線を変えたテーマでの行事も考えていきたい」(小幡理事長)

 また、2026年に控えた近畿・大阪でのジャグラ全国大会開催に向けて準備を進めていく。小幡理事長は「この2年間は、大会準備がメインの活動になるだろう」とし、早速、実行委員を組織し、近畿地区協議会と協議しながら、大会へ向けた準備を進めていく考えだ。

 「組合にはメリットしかない」と語る小幡理事長。積極的な情報提供活動に加え、ビアパーティやゴルフコンペなど、懇親の場の提供で人脈づくりを促していく考えを強調している。


モノクロ頁物印刷に特化


 小幡氏は1968年2月3日生まれの56歳。和歌山の親戚が営んでいた印刷会社で経験を積んだ後、23歳で独立。大阪・狭山市のガレージで中古印刷機1台から事業をスタートしている。

 創業以来、カラー化が進む市場を背中に、軽オフによるモノクロ頁物印刷に特化することで、利益率の高いビジネスモデルを構築。東京営業所開設をきっかけに事業は飛躍的成長を遂げ、2017年には互恵印刷の全株式取得にともない埼玉工場を、2020年には名古屋営業所を次々と開設。さらに今年6月には横浜営業所を開設している。

 現在、所有する軽オフは本社に8台、埼玉工場に3台。ここ最近では後加工設備を強化し、補助金を活用して第2工場にPP加工の設備も導入している。

 「内製化率は90%以上。現在は多能工化も進め、さらなる作業効率向上に挑戦している」(小幡理事長)


アメリカ雑貨店オープン


 「ここまで自社が成長できたのは社員に恵まれたから」と語る小幡理事長。現在はご子息が経営に参画し、さらなる「攻め」の経営を展開している。

 一方、若い頃はアメ車を4台乗り換えたという小幡理事長。そして念願の夢だったアメリカ雑貨店「Keys」(大阪府富田林市北大伴町1-10-3)をオープンさせ、趣味の延長として副業を開始。昨年8月と今年5月には本格的にアメリカへ買い付けに出向き、2週間ほどトラックで仕入れに走ったという。

 「SNSの宣伝だけで、あっという間に商品が売れる。まさにBtoCの魅力を実感している。現在ではアメリカ雑貨業界でも有名になり、同業者が私の店に買い付けにくるほど。将来はバイヤーになるのが夢である」(小幡理事長)

 そんなバイタリティ溢れる小幡理事長。「ガレージでの創業から34年間、全力疾走してきた。今後は自社を育ててくれた印刷業界に恩返しすべく、組合活動に尽力していきたい」(小幡理事長)

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