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ハタヤ、ロール専用プリンタ「Karibu2」国内1号機導入

2023年8月17日

2台分のジョブを1台に集約、「瞬発力」ある高品位出力を実現


 「顧客から求められている仕事を、いかに高い満足度で提供していくことができるか。それが出力屋にとって、最も大切なことであると認識している」。(有)ハタヤ(本社/神戸市西区伊川谷町別府121-1)の吉川一生社長は、そのニーズに対応していくため、常に最新鋭の設備導入を追求してきた。今年4月にはswissQprintのロール専用UVインクジェットプリンタ「Karibu2」の国内1号機を導入。顧客から「瞬発力」のある仕事が求められる中、そのニーズに高生産性と高品位出力で対応していくことが狙いだ。従来の2台分の仕事を1台でカバーしており、圧倒的なパフォーマンスを発揮している。「すべてにおいて満足度が高いゾーンにある」(吉川社長)

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国内1号機で導入した「Karibu2」の前で吉川社長(左)とオペレーターの沼田氏


 同社は昭和57年に創業したサイン・ディスプレイのプロ集団。商業施設やテーマパーク、イベント・企画展などに使用するパネルや垂れ幕などの仕事を手掛ける。顧客は関西圏と首都圏が中心。吉川社長は「必要とされるものを素早くキャッチし、顧客の仕事を楽にできることを心掛けている。『ハタヤに頼めば何とかなる』と、顧客から安心されるラインアップを揃えている」と、自社の設備力を誇る。

 一方、サイン・ディスプレイにおいてコンセプトの企画からデザイン制作、出力・加工、施工まで一連の工程を担える同社では、神戸本社の玄関を利用し、季節やテーマに沿った装飾を敏感に取り入れた「玄関装飾PROJECT」という活動を展開している。数ヵ月に一度はディスプレイを入れ替えており、吉川社長は「当社の企画・デザイン力、設備力を玄関に入ったその場から観ていただける」と話す。

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「当社の企画・デザイン、技術力を玄関から見てもらうことができる」と吉川社長

 「ハタヤの全てを知らない方に、企画デザイン力・技術をわくわく、ドキドキと楽しませながらお迎えできるようにしている」(吉川社長)。玄関だけでなく、階段にも遊び心に溢れたディスプレイが飾られており、同社の訪問時は、それらを鑑賞しながら商談室に向かうことができる。


総合的な安定感、設置後の本稼働までのスムーズな調整を評価


 常に最新鋭の設備保有を心掛ける同社では、基本的に大型プリンターは7年ほどのサイクルで入れ替えるようにしているという。そして今年4月に設備更新するにあたり吉川社長が求めたことは、これまで複数台設備していたものを、生産力のある1台に集約したいということであった。同社では現在、8台の大型プリンターを3人のオペレーターで回しているが、「スペースにも限りがあるし、稼働率を上げるためにはある程度、設備をまとめることも大切」(吉川社長)であるからだ。

 しかし、機種選択については、基本的にはオペレーターが選んだ機械を会社が買うということをスタンスにしているという。「今流れている仕事を理解しているのはオペレーターであって、私ではない。基本的には口出しせず、オペレーターの感覚を信じるようにしている。今回も半年くらいかけて、オペレーターの責任者と一緒にメーカー各社のショールームや展示会などを視察して回った」(吉川社長)。ほぼすべてのメーカーを見て回ったということだ。

 そして、その中で目に止まったのが、swissQprintのロール専用プリンタ「Karibu2」であった。その最大のポイントになったのは「安定感」だったと吉川社長は話す。

 「我々の仕事はリピートの仕事ばかりをするわけではない。素材もターポリンや透明pet、塩ビ、壁紙など、様々なメディアに出力する。どのような仕事であっても高品位に、そして安定した出力を実現できると判断したのがKaribu2であった」(吉川社長)

 そして、実際に導入して設置してから分かったことが、Karibu2は、導入後の調整が非常にスムーズということだ。数日のトレーニングを受けた後は、設定して本稼働に至るまで1週間程度であったという。

 「新たな設備を導入してよくあることが、実際の動きが導入前に考えていたことと違って、調整に期間がかかってしまうことであるが、Karibu2はすぐに実務に使えるようになった」(吉川社長)。調整に期間がかかると当然、その期間は仕事を外注したり、他のプリンターに負担がかかることになる。立ち上がりが早いということも、ユーザーにとっては見逃せないポイントと言えそうだ。


画期的な「デュアルロールオプション」で生産性が2倍に向上


 3.4m幅の「Karibu2」では、1.6m幅までのロールを使用した出力が複数ある場合に「デュアルロールオプション」を活用すれば生産性を2倍にでき、吉川社長は「別々の仕事に使えるため、2本のロールで生産性が倍になる。壁紙などの出力にはかなり多くを流している」と評価する。この機能により、1つの仕事を高速生産できるだけでなく、複数の仕事を効率的に処理できるわけである。

 実際に「Karibu2」を操作するオペレーターの沼田幸栄氏は「これまで10時間かかっていた仕事を5時間で終えることができるようになり、2日かかっていた仕事を1日で終えることができるようになった」と評価するとともに、ロール紙のセッティングや段取り替えなど、作業負荷が軽減したことも評価している。

 「圧力のセンサーが搭載されているため、これまでのように勘ではなく、メディアの張り具合や左右のバランスなどを、ステータスバーを見ながら簡単にセットできるようになった」(沼田氏)

 これまでは、平行にメディアをセットするのが難しく、波打ってしまったり、均等に引っ張るのに苦労していたという。


メッシュプリント、両面ターポリンもストレスなく出力可能に


 そして、沼田氏が「この機能のメリットは大きい」と高く評価しているのは、印刷テーブルにメッシュキットが装備されていることだ。印刷前の追加セットアップ、印刷後のクリーニングは不要で、ワンクリックで通常の位置からメッシュ印刷ポジションへ移動する。移動後は、ただちに印刷を開始することが可能になっている。

 「これまではメッシュ素材の場合、溝に落としていたのでセットも大変だったが、キャリッジをメッシュポジションに移動してプリントできる」(沼田氏)。メッシュポジションの下にレシート紙のような巻紙が走っており、ヘッドキャリッジと一緒に動いてインクを吸い取る仕組みとなっている。この紙はプリントの進行に応じて自動的に巻き取る仕組み。これにより「メッシュプリントにストレスなく移行できるようになった」(沼田氏)。また、ロール紙の場合、どうしても搬送のズレが起きることがあるが、ヘッドキャリッジの前後の動きを利用してこれも補正できるという。

 また、両面ターポリン出力の場合も、これまでにない効果を発揮している。片面を出力したときに、自動でQRコードを出力し、ひっくり返した時にセンサーで読み込み、ズレを補正してくれるという。沼田氏は「以前は定規で測って左から何センチなどと調整し、平行具合もマジックで線を引いて調整していたが、この機能により見当ズレもなくなり、楽に作業が行えるようになった」と大幅な作業負荷軽減を実感しているようだ。

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生産キャパとクオリティだけでなく、作業性も大幅に向上した

 さらに、プリントエリアの手前に装備されている「Light Box」により、バックリット出力の品質確認を即時に、また継続的に行うことが可能になった。この機能により、時間とメディアの無駄を最小限に抑えることができるようになったことも評価している。

 「これまでは出力後にメディアを広げて確認していたが、印刷しながらピンホールやスジなどをチェックできるため、作業負荷低減につながっている」(沼田氏)。

 必要な部分だけを照らすことができ、透明や薄いメディアなどもその場で品質チェックすることができるという。


UVインクジェットのメリットは「積層」が可能であること


 同社はこれまで、数種類のUVインクジェットプリンタを活用してきているが、swissQprintのプリンタの特徴であるUVインクジェット方式について、その一番のメリットであるのは「積層」ができることだと強調している。

 「色を重ねていけるため、透明素材に裏の画像を先に出力し、白と黒で重ねていくと両面表示が可能になる。ガラスに貼るグラフィックなど、当社はそのような仕事を多く受けているので、溶剤だと時間もかかるし透け感も出てしまうため、これがUVインクジェット方式の一番のメリットであると認識している」(吉川社長)

 そして、swissQprintのメーカーとしての評価として「今回初めての導入であったが、全体的に使いやすく、本当に色々なことを考えて製品を開発しているメーカーであると感じた」(吉川社長)と、ユーザー目線での開発姿勢を高く評価していた。

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神戸市西区の本社外観

 同社は今年8月中には、新規事業としてボックスパネルのECサイト「monocoto」をオープンする予定。完全データ支給だけでなく、デザイン知識の少ない一般の人でもサイト内でデータを作成できる仕組みになっている。吉川社長は「30cm角で約4,500円。子供や思い出の写真をボックスパネルにしていただくことができる」として活用を呼び掛けており、受注拡大に期待する。

 吉川社長は今後の抱負として「当社と関わる人が少しでも幸せになれるように、顧客に寄り添い、必要とされる会社を目指したい」としており、その実現に向けて今後も積極的な設備投資など企業努力を続けていきたいとしている。

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