キャッチフレーズは「徹底的に環境にやさしい」
ニヨド印刷(株)(本社/高知県吾川郡いの町474-2、御庄康隆社長)は「SDGs配慮型企業」として、環境にやさしい紙製品の開発を進めている。同社は昨年、環境に配慮した様々な紙を使用した「紙製エコファイル」を開発したが、本年は紙ファイルの「中身を見たい」という要望への解決策として「窓付き紙ファイル」をラインアップに加えた。窓の部分には何も貼っておらず、穴明けしただけのシンプルなものだ。本年は「徹底的に環境にやさしい」をキャッチフレーズに掲げ、4月12日から東京・池袋で開催される販促・企業ギフト・マーケティングの国際的な専門見本市プレミアム・インセンティブショー(P・Iショー)を皮切りに、全国の数々の展示会で紹介する。
環境に配慮した多くのエコアイテムをラインアップ
本年5月に「ショールーム」開設へ
ニヨド印刷は、土佐和紙発祥の町である高知県いの町において、「印刷を核としたものづくりを通して、優れた製品・サービスを提供する」という使命感のもとで事業展開する企業。最近のニュースとしては、2021年12月にMISを導入し、案件毎の「単品損益」を徹底管理することを開始した。御庄社長は「力を入れていく仕事、一方で止める仕事など、採算性を考慮しながら1つ1つの仕事を吟味していくために活用している」と話す。
また、同社は4月12日〜14日に東京・池袋のサンシャインシティで開催されるP・Iショーを皮切りに、6月の九州印刷機材展(福岡)、7月のSOPTECとうほく(宮城)と販促EXPO(東京)、9月の関西販促EXPO(大阪)、その他、業界商社が開催する各地の展示会にも出展するが、それに加えて本社内にショールームを開設すべく、準備を進めている。早ければ5月にもオープンの予定だ。
御庄 社長
御庄社長は「当社は高知市内から好アクセスという訳ではないので、そうそう来場する人はいないと思うが、ショールームを開設すれば、展示会には持っていけないサンプルなども常設展示することができ、オープンするメリットは大きいと判断した」と話す。環境にやさしい紙製品だけでなく、マスキングテープやボールペンなど、印刷の絡まない販促アイテムを含めて面白そうな商品を展示する。
同社は、地域社会に貢献することも課題としているため、クライアントや業界関係者だけでなく、地元の関係者や学生の社会見学などにも活用してもらえるショールームを目指すという。なお、JRで同社に行く場合、高知駅から30分程度の「枝川」駅から徒歩15分ほどとなる。
紙ファイル素材に「上質紙」を追加
同社は昨年10月のP・Iショーにおいて、FSC森林認証紙のクラフト紙やナチュラル紙、FSC森林認証紙の指定が可能なコート紙やマットコート紙ほか、ミラーコート紙、国産竹100%原料の竹紙(バンブーペーパー)、食べられなくなった米を活用したkome-kami(コメカミ)などの紙ファイルを展示したが、今回は新たに開発した窓付きの紙ファイルを紹介する。フィルム等も貼らずに穴を開けただけのシンプルなものだが、御庄社長は「見た目もきれいなファイルに仕上がっている」と、出来具合に自信を示す。また、「上質紙」もラインアップに加えた。
なお、同社の紙ファイルは特許技術「エコプレス」を採用していることが大きな特徴。上下2枚の特殊な歯型の間に紙を挟み、加圧することで綴じる技術の応用により、針金や接着剤などを一切使用せず、加熱もしない、リサイクルの阻害にもならないエコを極めた紙ファイルとなっている。
「そのままリサイクルに回せる」ペーパーリングノートやメモも紹介
本年の展示会において、同社は主力の「紙製エコファイル」はもちろん、環境に優しい様々な紙製品を紹介する。同社の本年のキャッチフレーズは「徹底的に環境にやさしい」である。
同社は本年、ホームページの商品紹介のページに「環境に配慮したエコアイテム」のページを新たに追加したが、御庄社長は「トップページを除いて、もっとも閲覧が多いのがこのページになっている」と話し、環境対応製品の広がりを実感しているという。「リサイクルの輪に乗れることが、もっとも大切」(御庄社長)だと話す。
ペーパーリングノート/メモに使用されているペーパーリングは、100%の紙製リング。専用の特殊板紙を、塩素系溶剤を含まない環境対応型接着剤で2枚合紙したもので、リングと本体を分別することなく、そのまま古紙・一般紙へ再利用ができる。まさに「リサイクルの輪」に乗れる商品となっている。
同社はこのほか、環境に配慮したエコアイテムとして「木の中綴じノート」、「木のリングノート」、「FSC認証クラフト紙ファイル」、「ペーパーリング卓上カレンダー」などを取り扱っている。御庄社長は「FSC認証の紙素材に由来するペーパーリングを使用したノートやメモ、カレンダーは、SDGsの達成を目指す企業の調達基準にかない、社会的イメージの向上にもつながる」として、企業への採用を呼び掛けている。
本年2月に「エコアクション21」取得。外向きにも有効的に活用
同社は「こうちSDGs推進企業」の登録企業となっているが、今年2月に「エコアクション21」の認証を取得した。御庄社長は「ミス・ロス削減など、エコアクション21は社内的メリットが大きいという話をよく聞くが、社内改革だけでなく、外向けにも有効な制度だと認識している」としており、認証取得企業であることをアドバンテージに、対外的にエコアイテムを訴求していく考えだ。
また、御庄社長は最近のアナログレコードの人気復活に触れ、「音楽を聴くことができなくても物理的に『所有したい』というニーズが背景にあるようだが、これは印刷業界の未来を示唆しているような気がする。『持つ喜び』を与えるような価値のある印刷物を提供していきたい」と話す。「環境対応のエコアイテム」に「持つ喜び」を掛け合わせたさらなる新商品の開発に期待したい。