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SCREEN GP、page2017でセミナー〜安全なPDF/X-4&APPE運用

2017年3月5日

 (株)SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズは2月10日、page2017のクリエイティブゾーンにおいて、「もう逃げられない!安全なPDF/X-4&APPE運用のススメ」をテーマにセミナーを開催した。同セミナーの後半部分では、ゲストスピーカーとして、共同印刷(株)と(株)DNPメディア・アートからワークフローのキーパーソンが登壇し、両社におけるPDF/X-4運用に関する具体的な取り組みを紹介。SCREENとアドビシステムズ(株)の協力を得て、PDF/X-4による安全な運用を強力に推進していくと、決意を表明した。

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左から SCREEN・松久氏、共同印刷・松永氏、DNPメディアアート・車田氏、アドビ・岩本氏

安全な運用のためにPDF/X-4に適したデータ制作を

 メイン講師を務めたSCREEN GAソフトウエア開発部の松久剛氏はまず、「高度化するデザインデータに対応するためには、PDF/X-4運用を前提としたAPPE処理を行うことが重要」と説明。続いて、「PDF/X-4入稿とネイティブ入稿の違い」や、「バージョン1.4で透明効果対応、バージョン1.5でレイヤー機能に対応」などPDFのバージョンとその特長を紹介。これをPDF/Xにも反映させ、「PDF/X-4で透明効果やレイヤー機能が使えるようになったことが重要なポイント」と述べ、PDF/X-1a、PDF/X-3との相違点について説明した。

 まず、PDF/X-4入稿とネイティブ入稿の違いについて、「切り口が変わるだけで、やっていることは同じ。大事なことは、使用するネイティブデータがPDF/X-4に適したデータの作りになっているかどうかであり、それが問題なければ入稿形式はどちらでもよい」と説明。ハードルがあるのは入稿形式ではなく、いかに正しいデータを作るかとの考えを示した。

DTPで陥りやすいトラブルをどう防ぐか

 続いて、「DTPの3大トラブルとその回避方法」について実例を紹介しながら紹介。トラブルを回避するためにはオーバープリントの処理をDTPアプリケーションで正しく設定し、その設定を活かす「ノセ活き」の選択、EPSを使わずにネイティブファイルを使用、透明効果の分割統合を避ける「透明活き」を行うことで、PDF/X-4運用に適したデータとなり、トラブルを回避し、安全なデータ入稿が可能になると解説した。

印刷会社はPDF/X-4運用の優位性を実感し移行を推進

 このあと、2社の印刷会社のキーパーソンが、それぞれの取り組みについて紹介した。まず、共同印刷(株)からは、同社グループにおける製版から刷版までをカバーするトータルワークフロー構築の責任者をつとめる松永英丈氏が登壇した。松永氏は「当社では主に定期案件についてPDF/X-4での入稿に対応しており、その割合は全体の1〜2割程度。いまだPDF/X-1aでの入稿が8割がたである。社内運用については、2年ほど前からPDF/X-4運用への切り替えを段階的に開始した」と紹介。運用変更したきっかけは、「旧来のCPSI処理では正しい結果が得られない事例が増加した半面、逆にAPPE処理で期待通りの正しい出力結果がでる」と評価。印刷事故をなくしたい印刷会社にとって、より信頼性の高い運用と判断した結果だ。

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満席となったセミナー会場

 続いて登壇した(株)DNPメディア・アートの車田幸代氏は、大日本印刷(株)でプリプレスの技術担当に従事。その後、DNPメディア・アートの所属となり、現在では大日本印刷グループ全体のプリプレスワークフロー構築に携わる。車田氏はまず、これまでPDF/X-4での入稿を見合わせていた理由として、出力環境やデータ制作環境が異なると、透明効果を含むデータなどで正しい出力結果を得ることが困難だった状況を説明。最近になってPDF/X-4入稿に踏み切った理由として「透明効果が当たり前になり、品質向上・データ処理には透明保持が必要で、むしろメリットのほうが大きいと判断した」と語った。また、同社ではAPPE完全完結処理ルート運用を進めており、現状は先行して社内運用を開始。今後は標準運用への水平展開を図っていくとの考えを述べた。

 このように、両社に共通して言えるのは、「RIPシステムやRIPバージョンが異なると、出力結果は保証されない。製版から刷版までの一貫した運用の管理が大切」だということ。大量の業務をこなしつつ高い品質を保つことを常に求められる印刷会社にとって、「この移行には各々の工程や立場の人々が正しい運用を理解することが必要。相応の苦労をともなうが、それ以上のメリットがあるので、ぜひご相談いただきたい」と強調した。

 最後に、アドビシステムズ(株)の岩本崇氏が登壇し、「業界をけん引するこれらの大手印刷会社さまが、新しい運用を正しく理解して推進していくことに大きな意義がある。AdobeとしてもSCREENと共にサポートを継続していきたい」と表明して終了した。

 同セミナーは立ち見が出るほどの盛況で、PDF/X-4&APPEへの関心の高さが伺えた。

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