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2025年度動画コンテンツビジネス市場は6,300億円と予測

 (株)矢野経済研究所は、国内の動画コンテンツビジネスを調査し、現況、主要セグメント別市場動向、将来展望を明らかにした。

 2024年度の動画コンテンツビジネス市場規模(主要4市場計)は、事業者売上高ベースで前年度比103.7%の5,985億円と推計。内訳をみると、動画編集ソフト、動画配信プラットフォーム、アニメ制作はプラスで推移した一方、ライブ配信アプリはマイナス推移となり、急成長の反動や動画配信プラットフォーム内でのライブ配信サービス拡大が影響していると考えられる。市場全体としては、企業における動画コンテンツの活用ニーズが高まっており、堅調に推移している。

 動画マーケティングの拡大や社内DXの推進などにともない、企業における動画コンテンツ活用のニーズが高まっている。

 これを受けて、動画制作サービスは企業に広く浸透している。また、制作技術の向上をはじめ、動画のカテゴリーやジャンルに適した技術と経験を持つクリエイターが制作を担当する案件に合わせて制作チームを編成するといった動画制作体制の構築などにより、制作動画の品質は年々上がっているとみられる。

 さらに、スタジオ以外での撮影難度の高いロケーション撮影、ドローン撮影等の特殊な撮影が出来るサービスも多くみられ、動画制作サービスは顧客の要望に対応できる範囲が広がっているといえる。

 2025年度の動画コンテンツビジネス市場規模(主要4市場計)は、事業者売上高ベースで前年度比105.3%の6,300億円と予測。今後も、市場全体は、堅調に拡大していく見通しである。

 4市場別では、動画編集ソフト市場は引き続き副業を解禁する企業や、編集作業を請け負う個人事業主、趣味で動画編集を行う人の増加が想定されるため、拡大を見込む。

 動画配信プラットフォーム市場では、動画マーケティングや社内DXの拡大により、参入企業各社は既存顧客に加え、新規顧客を獲得しつつ、堅調に推移していく見通しである。

 ライブ配信アプリ市場は、ライブコマース(ライブ配信とオンライン販売を組み合わせた販売形態)やVライバー(アバターを使ってライブ配信を行うバーチャル配信者)によるライブ配信の拡大が期待されている。

 アニメ制作市場では、アニメ作品を制作するアニメ制作会社が、作品の配給・宣伝・商品化など商業的な側面を担当するエンタメ企業・アニメ製作会社の子会社になる動きが活発化する見通し。これにより、アニメ制作会社の資金繰りが改善され、制作スタッフの雇用や設備投資に余裕が生まれること、親会社からアニメーションの制作が安定的に委託されることなどが期待できる。

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