産業機能紙市場は今後再び拡大局面へ
(株)矢野経済研究所は、国内の特殊紙市場を調査し、各品種別の市場動向や参入企業動向、将来展望を明らかにした。
特殊紙はその付加価値性によって固定ユーザー向けに安定した需要があり、用途も情報媒体用途から包装用途、生活機能紙、産業・工業用途と幅広く、需要の変動に対してもその用途の広さからある程度変動への対応が可能な底堅い市場であった。
しかし、紙パルプ業界の需要構造が大きく変動する中、特殊紙市場においても情報媒体用途の特殊紙についてはデジタル化の影響や企業におけるコスト削減のターゲットとなり、大幅に減少している。
また、産業・工業用途である産業機能紙についても、国内産業の海外移転による空洞化や進出先・輸出先での海外メーカーとの競争などの市場環境の厳しさが増した中、米中貿易摩擦や世界的な新型コロナウイルス感染症による景気後退の影響によって、需要変動も激しさを増している。
2023年度の産業機能紙市場規模(国内メーカー出荷数量ベース)は、前年度比94.5%の11万6,500tと推計。2022年秋口から半導体・電子部品の需要が急激に失速し、半導体不足の対応策として機器メーカー各社が部品在庫を積み増ししていたこともあり、在庫調整が長期化した。そのため、産業機能紙の需要は終始低調に推移した。また、物価高を背景とした個人消費の低迷や企業のコスト削減意識の高まりも、産業機能紙の需要に大きな影響を与える結果となった。
今後、伸長が期待できる特殊紙の需要分野の1つとしては、環境エネルギー分野、特に再生可能エネルギー関連が挙げられる。脱炭素社会に向け、世界各国のエネルギー政策が石油・石炭一辺倒から脱却し、一部を再生可能エネルギー(太陽光や風力発電など)にシフトさせることによるバランスの取れたエネルギーミックスを目指す方向にある。
そのような状況の中、中長期的には太陽光発電設備、風力発電設備の設置増加によるバッテリーセパレータ需要の拡大で特殊紙の需要が期待できる。
産業機能紙の主要な需要分野である半導体・電子部品は、ここ数年非常に需要の上下動が激しかったものの、各半導体メーカーは大規模な増産計画を進めていることから、潜在需要は高水準にある。半導体・電子部品市場は、生成AI関連投資等による通信設備関連の需要拡大、自動化・省力化や環境対策を目的とした設備投資等の活性化、カーエレクトロニクス関連の技術進展などにより回復推移が見込まれている。
2024年度に入り、長期化した半導体・電子部品の在庫調整も終息の兆しが見られることから、2024年度の産業機能紙市場規模は前年度比103.7%の12万830t、2025年度は同101.7%の12万2,860tと今後再び拡大局面に入るものと予測している。
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