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日栄印刷紙工(大阪)

シリウスビジョン製検版システム導入で過検出を抑制

スムーズな生産体制を構築

 竹田iPグループの日栄印刷紙工(株)(本社/大阪府八尾市若林町2-143、宮本輝信社長)は2022年11月、シリウスビジョン(株)が提供するPDF・印刷物 大判検版システム「S-Scan LNC」を導入した。同社では2017年より、接触タイプの検版システムを活用していたが、過検出が多かったことに加えて、原反によってはスキャナを通す際にインキが削れてインキがレンズに付着し、次の検査に影響が出るなど課題が山積していた。このため、非接触タイプの検版システムを検討した結果、「過検出が少なく、蒸着紙など様々な特殊紙にも対応するのがLNCだった」(宮本社長)。過検出問題の解消によりオペレーターの作業負荷軽減と検査品質が安定したほか、生産性とコスト削減にも効果を発揮している。


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宮本 社長

環境に配慮したパッケージが強み

 「お客さまの想いを 価値あるカタチにするために」を企業理念に掲げる同社は、昭和32年の創業以来、化粧箱、台紙などのパッケージ印刷事業、部品ラベル・セキュリティラベルなどのシール・ラベル印刷事業を柱にクライアントの信頼を築いてきた。宮本社長は、「パッケージ印刷事業では、お客さまの大切な商品を保護するだけでなく、商品の顔として魅力をアピールするデザイン性、ディスプレイや物流を考慮した機能性を実現するとともに、相反するコスト・ニーズをバランスよく達成することで、お客さまの要望に応えてきた。また、シール・ラベル印刷事業では、電子機器などの高機能化・軽量化に貢献する部材ラベルを中心に、産業資材としての技術レベル、品質レベルを持つ加工部材を提供してきた」と話す。

 また、昨今は環境保全のため、廃棄性やリサイクル性が求められるようになっている中、環境配慮型の製品づくりを推進するため、2015年にISO14001認証と2019年にFSC認証を取得。宮本社長は「商業印刷の業界ではFSC認証紙の普及は早かったかも知れないが、パッケージ業界では当時、FSC認証紙やバイオマスインキなど環境素材の普及はあまり進んでいなかった。そのような中、当社はかなり先行的に取り組んでいた」と振り返る。当時はクライアントの手応えはあまり感じられなかったようだが、「コロナ禍をきっかけに反応に変化が現れてきた。今では環境に配慮したパッケージへの取り組みは、営業のフックとして当社の強みになっている」(宮本社長)。また、男性だけでなく女性も現場で活躍していることも同社の特徴の1つだ。


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大阪府八尾市の本社外観

 同社は2023年4月にホールディングス化した「竹田iPホールディングス(株)」のグループ企業でもある。同社はこれを機に、日本全国および海外にも展開する竹田iPグループの各企業との連携を強化していく方針で、「単独では解決できないことも、グループ企業との連携で実現させていきたい」(宮本社長)と、新たなスタートを切っている。

過検出とインキ付着などの課題を解決

 同社ではこれまで、不良はできるだけ上流で発見し、次工程に不良を送らないことを目的に、インライン検査装置をはじめ、様々な検査装置の導入を進めてきた。同社執行役員の製造部・横田美保部長は「人の目では見つけられない不良を発見するため、2017年に接触タイプの検版システムを導入したことも、その流れの1つだった」と振り返る。少しでも現場の負担を減らしたいという思いからの導入であったが、厳しい品質基準を求められる薬品パッケージや、蒸着紙など特殊紙を数多く使用する同社の検査システムとしては不向きであったようだ。そして「検査レベルを高くすると過検知が多くなり、逆に甘くすると不良を拾わなくなるという声が現場からあがっていた」(宮本社長)ことが、新たな検版システム導入を検討するきっかけとなった。

 同社製造部・印刷課の平井博和課長は「UV印刷機を使用しているためインキは乾いているのだが、接触型の市販のスキャナを使用するため、原反によってはスキャナを通すとインキが削れてレンズに付着し、それが次の検査の過検出につながり、実際に見つけるべき不良を見逃してしまうという問題が発生していた」と説明する。また、薄紙などは接触タイプではシワが入るのでやり直しが必要なこともあったようで、オペレーターにとっては大きな負担になっていたという。検査に時間がかかるため、刷り出し検査にのみ活用していたようで、「印刷中の抜き取り検査には検査したくても間に合わず、諦めていた」(平井課長)。


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蒸着紙など特殊紙の検版にも対応する「S-Scan LNC」

 そのような中、非接触タイプで、検査スピードも早いシステムを探していたところ辿り着いたのが、シリウスビジョンのPDF・印刷物 大判検版システム「S-Scan LNC」であった。

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