青葉堂印刷、カレンダー製作の「ニッチトップ」へ〜卓上カレンダー台紙の折加工・糊付を内製化
フィニッシングソリューション「KBD MOLLシステム」導入事例
MOLLシステムの導入効果は、マネジメント面だけでなく、実際に機械を操作する現場にも表れている。印刷部 印刷二課の佐藤訓夫課長は「サイズが非常にコンパクトで給紙側と排紙側の距離が短いため、一人でも十分に作業ができる」と話す。従来の外注先では20メートルにおよぶレーンを使用していたが、MOLLシステムは省スペースで効率よく稼働する設計となっており、現場の人員配置にも好影響を与えている。
現在、MOLLシステムでの卓上カレンダーのスタンド折り加工は2,000枚〜最大10万枚規模まで対応しているが、日産ベースで約2万枚を一人でこなしているという。佐藤課長は「まだ導入から1年目のため、品質優先の観点からスピードを抑え気味にしているが、慣れてくればさらに生産量を上げていくことができる」と、生産性と品質を両立できるMOLLシステムの性能を評価する。
また、実際にワンオペでMOLLシステムを操作しているオペレーターの鈴木氏は「MOLLシステムには糊付けの機能もあり、必要に応じて折りの前段階で糊付できることが非常に便利」と話す。MOLLシステムがなければ手作業で両面テープを1枚1枚貼ることになり大きな負担になるが、「流れ作業でできるため、スムーズに作業することができる」と話す。

折加工の品質については、折り位置のズレなども作業中にリアルタイムで微調整できるため、初期の100枚程度で安定すれば、その後はほとんど不良が出ない。鈴木氏は「1ミリでもズレがあれば、束ねたときにすぐに分かる。全数目視検品を行っているので、精度には自信がある」と話す。
中村社長も「オペレーターの負担を軽減しながら品質も落とさないことが、結果として不要な紙の使用も抑えられ、SDGsの観点からも非常に有効だと感じている」と話し、導入の成果を強調した。
2030年をマイルストーンに、顧客の要望に確実に応えられる企業へ
創業70周年を節目に中村新社長のもと、次なるステージを見据える青葉堂印刷。その視線の先には、2030年を1つのマイルストーンとした事業のさらなる深化と拡張がある。「自社企画を増やすというより、お客様から"こういうものを作りたい"という声に対して確実に応えられる会社でありたい」と語る姿勢に、顧客密着型のものづくりへの確固たる信念がにじむ。
今後もカレンダー設備の拡充、新たな製品形態への柔軟な対応、そして環境負荷低減をはじめとする社会的責任を果たす企業として成長しながら存在価値を高め、"青葉堂に頼めば間違いない"と
頼られる企業を目指す。

取材の最後、中村社長は光文堂について「日本有数の印刷機材商社としての実績とノウハウはもちろん、課題に対して即座に適切な提案をしてくれる対応力が魅力。MOLLシステムだけでなく、今年導入したブランキング装置も含め、当社の展望に対する有力なパートナーである」と、信頼できる印刷機材商社であることを高く評価した。