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昇文堂、ロゴライセンス商品「江戸トランプ」

販売チャネルの拡大へ

 (株)昇文堂(本社/東京都千代田区、田中眞文社長)は、カード印刷に強みを持つ専門性を活かし、販促グッズやオリジナルゲームなど、独創的な紙製品を展開する企業。今春には、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」のロゴライセンス商品として「江戸トランプ」を開発。現在、ECサイトをはじめ、駅構内ショップや観光地の土産売場など、販売チャネルを広げながら、さらなる販路開拓を目指している。同社の田中千佳子常務取締役は、印刷会社に向けても「営業のフックとして活用していただきたい」と呼び掛けている。

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「江戸トランプ」をPRする田中常務

印刷会社の販売代理店を募集

 ロゴライセンス商品「江戸トランプ」は、スペード・ハート・ダイヤ・クラブの4スート構成をベースに、富士山や桜といった日本的モチーフや、蔦屋重三郎が支援した絵師たちの作品を再構成したデザインが特長。写楽や歌麿らによる浮世絵の名作をモチーフにし、江戸の美意識を再現している。販売価格は税込み1,650円。全54枚入りのメイド・イン・ジャパン仕様で、鑑賞・贈答・インバウンド対応と多彩な用途に活用できる。

 発売以降、台東区の大河ドラマ館(台東区民会館)をはじめ、エキュート上野、日本橋コレド室町の案内所、浅草の土産店などで販売を展開。JR駅構内、ジャグラ文化典・東京大会ではポップアップショップを出店し、発売から2ヵ月で400個近くを販売している。

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台東区の大河ドラマ館でも販売されている

 全部で1,200個を生産したが、商品の販売期間は大河ドラマ放送終了から1年間と定められているため、田中常務は「それまでに完売するのが目標」と意気込む。販売チャネルを広げながらこれを実現していく考えだ。

 すでに一部の印刷会社では委託販売の形で取り扱いを始めており、田中常務は「浮世絵風のトランプは珍しくないが、大河ドラマの公式ライセンス商品という付加価値があることで、反応がまったく違う」と、印刷営業のフックとして活用してもらいたいと呼び掛けている。ドラマの後半にかけて認知度のさらなる向上が見込まれる今が、まさに拡販のチャンスということだ。

販促を超えて広がる「オリジナルトランプ」

 「江戸トランプ」は同社にとって単なる販売品ではなく、自社を知ってもらう"きっかけ"としての役割を担っている。製品の裏面には社名が明記されており、「400個売れたということは、400枚の名刺を配ったのと同じ意味を持つ」と田中常務は話す。

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江戸文化の粋を詰め込んでいる

 同社は「オリジナルトランプ」を得意アイテムの1つとしているが、情報量と保存性に優れたトランプは、パンフレットやカタログに代わるプロモーションツールとしても有効である。54枚のカードに1枚ずつ異なる情報やグラフィックを掲載できることは、トランプというアイテムならではの魅力と言えそうだ。

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絵札には蔦屋重三郎が支援した名絵師たちの作品を再構築

 現在、同社はカード印刷の技術を活かした取り組みを強化しており、箔押しや特殊加工、専用パッケージとの組み合わせなど、工芸的な表現技法にも積極的に取り組んでいる。

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