ニヨド印刷、Google検索1位の紙グッズ「パタパタメモ」
販促の枠を超えてヒット
「オリジナル制作できるパタパタメモ」でGoogle検索すると、トップに出てくる----。そんなインパクト抜群の紙グッズが業界内外で注目を集めている。開けば4種類のメモが並び、閉じれば手のひらに収まる「本」のような形状。ニヨド印刷(株)(高知県吾川郡いの町/御庄康隆社長)がIGAS2018で発表したこの「パタパタメモ」は、展示会に出すたびに受注が増えるという実績を重ね、今や同社の代名詞的存在の1つとなっている。6月に開催された福岡P・Iショーでも「かわいい!」「実用的!」と評判を呼んだ。

機能性と実用性、訴求力を兼ね備えたブック型メモ
1枚の台紙に、4種類×20枚=計80枚のメモを「パタパタ」と折り込んだ構造。サイズはW77×H103×D12(折り畳み時)とコンパクトながら、開くたびに異なるデザインが登場する仕掛けが楽しい。
パタパタメモは、ブック型のメモ帳。手に取ってみるとコンパクトながらも存在感は抜群だ。表紙をパタンと開くと、外側とは異なる表紙デザインが現れ、さらにすべてを開くと、4種の異なるメモ用紙が一度に並ぶというユニークな構造。持ち歩きや収納の際は、再びコンパクトに折り畳めるため、バッグの中でも場所を取らない。

さらに表紙には「アイベスト310g/平米」の厚紙を使用。カバンの中に入れてもへたりにくく、長く使える点が高評価を得ている。
メモの一部を付箋仕様にするなど、カスタマイズ性にも優れ、一般的なブロックメモやくるみメモにはない訴求力がある。印刷会社ならではの紙加工技術と発想が詰まったグッズといえるだろう。
2面構成の「パタメモ」、6面構成の「パタパタパタメモ」も
最近では、食品会社や鉄道会社など多くの企業、自治体がマスコットキャラクターを持ち、それをあしらったグッズを製作するケースが増えている。そんなキャラクターグッズとしても「パタパタメモ」は親和性が高く、今後のさらなる展開に広がりを見せそうだ。
ちなみに、同社がサンプルとして制作し、展示会場に持ち込んでいるのは、高知県出身の絵本作家・柴田ケイコ氏が描いたイラストを使用した限定版。御庄社長は「これは当社にとって宝物のようなもの」と話す。
IGAS2018での発表から5年以上経過した現在、パタパタメモは同社にとって営業活動の最強ツールにもなっているようだ。御庄社長は「印刷の楽しさを直感的に理解してもらえるアイテム。新規開拓にはこれが一番」とその効果について話す。
そして現在は、2面構成の「パタメモ」、6面構成の「パタパタパタメモ」、の派生型も開発している。ただ、現在も定番の4面仕様が一番人気ということだ。価格は500部で1個260円、1,000部で1個180円と、ノベルティとしても申し分ないコストパフォーマンスを実現している。
※価格は2025年8月現在のもの。

コロナ禍で生まれた「ピクチャーパズル」
そして、同社が手掛けるもう1つの人気グッズがオリジナルデザインに対応する「ピクチャーパズル」だ。ハガキサイズからA3までの多彩なサイズに対応し、少部数の場合は白無地パズルにUVインクジェットで直接印刷、大部数の場合はオフセット印刷+貼り合わせ+型抜きで対応。既製サイズなら抜型代不要という手軽さも人気の一因となっている。

コロナ禍での「おうち時間」需要から生まれたこの商品は、視認性の高いノベルティとして企業や団体から支持を集めている。「オール紙」製であることも、印刷会社が扱う商材としての説得力につながっている。
印刷会社の技術力とアイデアを掛け合わせたグッズ制作は、「紙の魅力」を再発見する絶好のフィールドでもある。ニヨド印刷のパタパタメモ、ピクチャーパズルは、まさに販促品を超えた紙製品として、今後ますます注目を集めそうだ。
