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視点の行方

施策効果が乏しい女性管理職比率

印刷ジャーナル 2024年4月5日

 (株)Works Human Intelligence(本社/東京都港区)は、大手企業の人事部と大手企業に勤務する従業員を対象に、女性管理職比率向上に関する施策の実施状況や従業員の意識について、企業人事部向け調査(全15問)と従業員向け調査(全16問)を実施。企業人事部向け調査は610名、従業員向け調査は631名から得ている。

 2023年6月に公表された「女性版骨太の方針2023」において、東京証券取引所プライム市場に上場する企業の女性役員比率を「2030年までに30%以上にする」という長期目標が掲げられ、同年12月の男女共同参画会議では「2025年までに19%にする」という中間目標が示された。

 社外から取締役候補を招いて女性役員比率を増やすだけではなく、将来の役員候補となる管理職の採用や育成強化の必要性が高まる中、「女性管理職比率向上」に向けて各企業がどのような施策を実施し、従業員はそれをどのように受け止めているのか、実態や課題を明らかにすべく、企業人事部と従業員に向けた調査をそれぞれ実施し、このほどその調査結果を公表した。

 女性管理職比率向上に関する施策実施状況について、企業向けの調査では「何らかの取り組みをしている」企業が84.6%と8割を超えた一方、従業員向けの調査では「効果を感じている施策はない」という回答が42.9%を占めており、企業の施策実施状況と従業員の実感にギャップがあることが明らかになった。

 また、企業人事部側の調査で、自社で実施している施策のうち最も効果を実感しているものについて問う設問では、「効果を感じているものはない」(22.5%)という回答が最多と、施策を実施する立場の人事部も効果実感を得づらい状況であるということが分かった。

 従業員向け調査では、管理職意向を問う設問において、「管理職になりたいと思わない」と答えた女性は85.3%、男性従業員では80.3%と、性別に関係なく管理職を望まない従業員が8割を超える結果となり、その理由として「ワークライフバランスが悪化する」「能力不足」「責任のある仕事につきたくない」が挙げられた。「会社でどのような支援があれば、管理職になりたいか」を問う設問では、女性においては「管理職の職務定義の明確化」「特になし」「仕事に対する評価」の順で回答が多い結果となった。