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視点の行方

働き方改革関連法改正-対応迫る中小企業と該当業種

印刷ジャーナル 2023年3月5日

  freee(株)(東京都品川区、佐々木大輔CEO)は、全国の労務担当者を対象に今年4月から施行される働き方改革関連法改正に関する調査と「2024年問題」に関する調査を実施した。
 
 働き方改革関連法の改正により2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上となる対象が、従来の大企業に加え中小企業まで拡大される。また、医療・建設・運輸業界に対して例外的に認められていた時間外労働の上限規制の猶予についても2024年3月末に終了するため対応が急務とされており、これを「2024年問題」と呼んでいる。今回の調査では、全国の労務担当者976名(このうち2024年問題に関する回答対象者は医療・建設・運輸業界の労務担当者の338名)を対象に、この2つの課題について対応状況などを確認している。
 
 同調査によると、働き方改革関連法の改正による「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率引き上げについて知っているか」に対し、「知っている」が74.3%、「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率引き上げの対応状況」については、61.2%が「未対応・不明」と回答している

 2024年問題の対象となる医療・建設・運輸業の労務担当者を対象に、2024年問題について知っているか問うと「知っている」が83.7%となり認知度は高い結果となったが、その対応状況については、「未対応」が44%となっている。

 さらに、働き方改革関連法対応のために労務担当者の業務負荷が増えたと感じるかとの問いに対して、「業務負担が増えた」との回答は医療業では60%、建設業では50.3%、運輸業で52.6%と2024年問題に該当する各業種で5割を超える結果となった。

 また、働き方改革関連法改正への対応を見据えて人事労務クラウドソフトの導入を検討したことがあるかとの問いに対して「検討・導入の予定はない」が34.9%、「導入を検討中」が29%、「すでに導入済み」が20.1%、「いずれは検討する」が16%となり、検討中・検討予定は45%に上ることがわかった。

 さらに、人事労務クラウドソフトの導入検討にあたり予算都合で見送ったことがあるかとの問いに対して、「見送ったことはない」が45.7%、「見送ったことがある」が29.1%、「わからない」が24.6%となり、約3割の人が予算の都合で見送った経験があることが確認できた。