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視点の行方

Z世代の採用活動〜ブランディング視点が必要

印刷ジャーナル 2022年10月25日

 (株)電通の社内横断ラボとしてZ世代の実態を研究しているプランニング&クリエイティブユニット「電通若者研究部(電通ワカモン)」は、就職活動を終えた2023年卒業予定の全国の大学生・大学院生863人を対象に「Z世代就活生 まるわかり調査2022」を実施した。

 同調査の目的は、Z世代就活生の最新動向を明らかにすることで、調査の結果、Z世代に特徴的な価値観が就職活動にも表れ、Z世代就活生の採用活動には企業ブランディングの視点が必要になっていることが分かった。

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 就活を通して、89.4%の就活生が「企業や商品のイメージが良くなったことがある」と回答する一方、「悪くなったことがある」も63.5%。就活により企業イメージは大きく左右される。

 一方、就活によりイメージが悪化する原因としては「面接官の印象が良くなかった」が1位、「社風が古いと感じた」が2位。就活生に「自分たちの世代と価値観が合わない」と思われることが企業ブランドのマイナスイメージにつながるため、採用活動をきっかけに企業の価値観のアップデートが重要になると考えられる。また、「選考結果の発表が遅かった」が3位で、これはタイムパフォーマンスを意識するZ世代の特徴といえる。

 企業選びで最も重視するのは、「社内の風通しの良さ」。Z世代の就活生は企業の「社風」を重視する傾向があり、「会社や業界の将来性」や「安定した収益性」を上回った。出世競争や上昇志向より、オープンでフラットな関係性を大切にする価値観が反映された。

 就活の情報収集には、63.3%が動画メディアを利用、SNSの活用も約6割。まずは身近なツールから情報収集を行っている。

 最も活用されたSNSは「LINEオープンチャット」と「Twitter」で、マクロの検索エンジンよりもまずは身近なツールから情報収集をする「検索離れ」といわれるZ世代の潮流を反映する結果となった。

 就活生の内定承諾には、「就活口コミサイト」とともに「親・家族・親戚」が影響。採用コミュニケーションは本人だけでなく、親世代へのアプローチも重要。内定を承諾する際に影響した要因は、内定者の口コミがわかる「ONE CAREER」や社員の口コミで評価する「オープンワーク」とともに、「親・家族・親戚」が上位。Z世代に特徴的な「家族との距離感の近さ」が要因と考えられる。