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視点の行方

2015年国内BPO市場は前年比4.5%増

印刷ジャーナル 2016年4月25日

 IDC Japan(株)は、国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場予測を発表した。これによると、2015年の同市場は前年比4.5%増の6,692億円となり、2015年~2020年の年間平均成長率は3.4%、2020年の同市場規模は7,903億円と予測している。
 2015年の国内BPOサービス市場の主要4セグメントのうち、前年比成長率が最も高かったセグメントは調達/購買BPOサービス市場で、2014年に続き2桁成長を維持。市場規模が他セグメントと比べてまだ小さいことも理由の1つだが、コスト削減を狙った全社レベルでの調達/購買プロセス最適化の需要が高まっていることが大きく寄与しているとみられる。今後も同市場は高い成長率を維持するとみられ、2015年~2020年のCAGR(年平均成長率)は7.1%となるとIDCはみている。
 人事BPOサービス市場は、人事部門の人材不足傾向に加え、雇用流動性の増大による業務量の増加や、業務プロセスやスキルセット管理の統合/標準化需要の高まりなどに後押しされ、2015年の成長率は調達/購買に次ぐ数値を示した。市場規模も小さくはないため、国内BPOサービス市場全体に与える影響も大きいと考えられる。2016年以降も、成長率は緩やかに下降しつつもその傾向に大きな変化はないとみられる。
 財務/経理BPOサービス市場は、これまでその中心となっていた定型業務の領域についてはすでに需要が一巡しているとみられ、そのため2015年の成長率は前述の2セグメントと比べると低くなっている。しかし、海外展開などをきっかけとした業務プロセスの統合/標準化などに対する需要が生じており、今後、これが当市場の成長をけん引していくとみられる。また、カスタマーケアBPOサービス市場は、市場規模では最も大きいセグメントであるものの、音声通話ベースのサービス需要の低下などが響き、2015年の成長率は主要4セグメントの中では最も低くなっている。2016年以降は、マルチチャンネル対応やデジタルマーケティングとの連動に対する需要などが当市場の成長を支えるであろうとIDCではみている。
 国内BPOサービス市場は、慢性的な人材不足、加速する国内企業のグローバル展開、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)の進行などに後押しされ、堅調な成長を続けている。