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視点の行方

2014年度パッケージ印刷市場規模は1兆3,220億円

印刷ジャーナル 2015年6月15日

 (株)矢野経済研究所はこのほど、国内のパッケージ印刷市場についての調査結果を発表した。調査期間は今年1月から4月、調査対象は国内主要軟包装、紙器印刷加工事業者等、調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに郵送アンケート、文献調査を併用した。
 同調査におけるパッケージ(外装用途)印刷とは軟包装分野と紙器分野を対象とし、これらの分野の印刷加工市場を指す。このうち紙器に関しては、主に外装用途で使われる紙製の箱を指し、紙コップや液体カートンなどの液体容器や紙袋は含まない。また紙器の中でも板紙に印刷加工が施された紙箱を対象にしており、仕上げ紙(くるみ紙)で包み、貼り込んで作られる貼箱や印刷加工がされてない簡易箱、また段ボールは対象外としている。ただし、段ボールにおいて、用途が重なっているマイクロフルート(F段、G段)や一部の板紙との合紙品は含む。

▽2013年度のパッケージ印刷市場規模は1兆3,193億4,300万円、前年度比1.5%増
 パッケージ印刷市場は、東日本大震災の影響で伸び悩んでいたが、経済情勢が上向く中でようやく需要が回復傾向となった。コンビニエンスストア向け製品の好調や、プライベートブランド(PB)製品の増加など食品分野の需要が拡大した。また、2013年度の第4四半期に消費増税前の駆け込み需要が発生したことも市場拡大に寄与した。

▽2014年度のパッケージ印刷市場規模は1兆3,220億円、前年度比0.2%増の見込、当面は横ばいないし微増を予測
 2014年度は、第1四半期に前期の駆け込み需要の反動があり、これに加えて夏場の天候不良で飲料分野など一部の需要分野で需要が減少した。しかし、軟包装分野における需要が総じて堅調であるため、同年度の市場規模は1兆3,220億円、前年度比0.2%増の微増となる見込みである。
 今後も、パッケージ印刷市場は大幅な伸長こそ見込めないものの、大きく落ち込む事態も想定し難いため、当面は特殊要因が発生しない限り、横ばいないし微増で推移していくものと見ている。