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視点の行方

2013年の出力枚数は3,370億ページ

印刷ジャーナル 2014年11月15日

 IT専門調査会社 IDC Japan(株)(東京都千代田区、竹内正人社長)は、国内における2013年のデジタルハードコピーデバイスからの印刷ページ数の推計を発表した。
 これによると2013年に国内のプリンターやコピー機を含むMFP(マルチファンクションペリフェラル)等のデジタルハードコピーデバイスから出力された印刷ページ数は3,370億ページで前年と比較して2.1%増となった。
 製品別では、インクジェット方式からの総印刷ページ数は340億ページ。前年比で6.9%増加。総設置台数は横ばいであるものの印刷ページ数の成長率が大きく、1台当たりの印刷量が増えていることが判明した。これには近年ラインアップが増えてきたビジネスインクジェット製品の影響があるとIDC社では推測している。
 レーザー方式については、設置台数では全体の25.7%と少ないにもかかわらず総印刷ページ数は90.0%と大きな割合を占めるという結果となった。
 2013年のレーザー方式の総印刷ページ数は3,040億ページ、前年比1.6%の増加。特にカラーレーザー方式からの出力は、前年と比較して6.3%増加している。設置台数が4.0%増となっているのに対して、印刷ページ数ではより大きな成長率を示している。これは1台当たりの印刷枚数が少ない製品よりも印刷枚数の多い製品の設置台数成長率が高い傾向にあることが理由となっている。また印刷ページ数全体に対するカラーレーザー方式からの出力は50.0%と半数を占めている。
 IDC Japanイメージング プリンティング&ドキュメントソリューション リサーチマネージャーの坂田信之氏は「2013年のデジタルハードコピーデバイスにおける国内印刷ページ数は、前年比2.1%増となった。これにはリーマンショック後の経済の低迷で削減されていた印刷ページ数が国内経済の回復に呼応する形で回復しつつあるためと考えられる。今後も現在の経済状況がこのまま続くのであれば、少なくとも印刷ページ数が大きく落ち込むことはないと考える。しかし、マネージドプリントサービス、ドキュメントワークフローの自動化といった印刷枚数を削減しようとする動きに加えて、モバイルやクラウド等の進展といったICT環境の急速な変化が印刷ページ数に影響を与える可能性がある。将来動向には十分留意する必要がある」と述べている。