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視点の行方

2011年の日本の広告費は前年比97.7%の5兆7,096億円

印刷ジャーナル 2012年3月5日

 (株)電通(東京都港区)は2月23日、わが国の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2011年日本の広告費」を発表した。
 これによると、昨年2011年の日本の総広告費は5兆7,096億円で、前年比97.7%であった。総広告費は、2004年に景気回復基調とデジタル家電などの普及を背景に4年ぶりに増加した後、2005年(前年比102.9%)、2006年(同101.7%)、2007年(同101.1%)と増加を続けてきたが、2008年の米国金融危機に端を発した世界同時不況を背景に減少に転じ、2008年(同95.3%)、2009年(同88.5%)、2010年(同98.7%)と連続して前年実績を下回った。2011年も東日本大震災の影響を受け、前年実績をやや下回った。
 2011年は、3月11日の東日本大震災、欧州金融危機、急激な円高、タイの洪水被害による製造業の生産流通体制の混乱などが日本経済を直撃。特に、東日本大震災の後に起きた広告自粛ムードが広告費の減少にもつながり、総広告費は5兆7,096億円、前年比97.7%と前年を割り込む結果となった。ただし、年後半は、10〜12月期のマス4媒体広告費が好調だった2010年の水準をさらに上回るなど広告出稿が活性化した。
 媒体別にみると、「テレビ広告費」(前年比99.5%)、「新聞広告費」(同93.7%)、「雑誌広告費」(同93%)、「ラジオ広告費」(同96%)のいずれも減少し、「マスコミ四媒体広告費」は同97.4%と前年を下回った。
 また、「プロモーションメディア広告費」も同95・4%と前年を下回った。一方、地デジ化に際しての3波対応テレビの普及で「衛星メディア関連広告費」(同113.6%)は2ケタの伸びを示した。「インターネット広告費」(同104.1%)はソーシャルメディア活用などの新手法が増えた結果、引き続き増加となった。
 業種別(マスコミ4媒体)では、「ファッション・アクセサリー」(婦人服、バッグなどが増加)、「流通・小売業」(通信販売、コンビニエンスストアなどが増加)、「情報・通信」(スマートフォン関連、WEBコンテンツなどが増加)、「官公庁・団体」(ACジャパンなどが増加)など21業種中5業種が前年を上回った。減少は「飲料・嗜好品」(国産ビール、焼酎などが減少)、「家電・AV機器」(液晶テレビ、プラズマテレビなどが減少)など16業種であった。