PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 視点の行方 > 電子書籍の懇談会が発足
視点の行方

電子書籍の懇談会が発足

印刷ジャーナル 2010年4月5日

 総務省、文部科学省、経済産業省の3省は3月17日、東海大学校友会館において、デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に向けて検討する「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」の第1回会合を開催した。
 日本の豊かな出版文化を次代へ着実に継承するとともに、デジタル・ネットワーク社会に対応して広く国民が出版物にアクセスできる環境を整備することは、国民の知る権利の保障をより確かなものとし、ひいては、知の拡大再生産につながるものである。
 そのため、関係者が広く集まり、デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に向けた検討を行う必要性があるとの観点から今回の懇談会が発足された。
 懇談会には、総務省、文部科学省、経済産業省の副大臣・大臣政務官をはじめ、メーカー、新聞社、出版社、書店、印刷会社、作家、漫画家、研究者、通信キャリア、国立国会図書館、インターネット関連事業者ら、26名が構成員として参加している。なお、印刷業界からは、大日本印刷の北島義俊社長、凸版印刷の足立直樹社長、日本印刷産業連合会の山口政廣会長(共同印刷会長)らが構成員に名を連ねている。
 検討内容は、以下の3点。
(1)デジタル・ネットワーク社会における出版物の収集・保存の在り方
(2)デジタル・ネットワーク社会における出版物の円滑な利活用の在り方
(3)国民の誰もが出版物にアクセスできる環境の整備等
 同懇談会では今後、配信プラットフォームの整備や利用フォーマットの在り方といった技術的な問題について専門的見地から検討を行う「技術に関するワーキングチーム」と、出版物の収集・保存および利活用について、産業構造全体を俯瞰した上で、現状の実態を踏まえつつ、関係する者の役割分担の在り方等について検討する「出版物の利活用の在り方に関するワーキングチーム」の2つのワーキングチームを設置して議論を深めていく方針で、これらワーキングチームでの検討を踏まえた上で、2010年6月を目途に一定の取りまとめを行う方針である。