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視点の行方

印刷業者倒産、過去5年で最多

印刷ジャーナル 2010年3月5日

 帝国データバンクがこのほど発表した「2009年の印刷業者の倒産動向調査」によると2009年の印刷業者の倒産件数は、前年比25.2%増の174件(前年139件)発生し、過去5年では最多となった。負債総額は前年比12.4%増の555億8,400万円(前年494億5,200万円)となり、こちらも過去5年では最高となっている。
 負債額別にみると負債1億円未満の小規模倒産が全体の59.8%を占め、うち1,000~5,000万円未満が67件(構成比38・5%)で最も多く、次いで1億~5億円未満が48件(同27.6%)、5,000万~1億円未満が37件(同21.3%)。さらに「50億~100億円未満」の倒産も3件(同1.7%)発生しており2005年以降では最多となった。
 従業員数別では、10人未満が121件(構成比69.5%)で最も多く、10人~50人未満の45件(同25.9%)が続いている。
 一方で100~300人未満の大型倒産は4件(同2.3%)となり、2005年以降では最多となった。従業員数の合計は、前年比で26.6%増の2,051人。
 態様別でみると「破産」が167件(構成比96%)、「特別清算」1件(同0.6%)を含めて清算型が全体の96.6%を占めた。一方、「民事再生法」は6件(同3.4%)にとどまり「会社更生法」は発生しなかった。
 主因別では、販売不振や業界不振、売掛金回収難などの「不況型倒産」が139件(構成比79.9%)発生し全体の約8割を占めている。特に「販売不振」が130件(構成比74.7%)で最も多く、「業界不振」5件(同2.9%)、「売掛金回収難」4件(同2.3%)と続くなどリーマン・ショック以降の世界的不況のなか、主要取引先からの受注低迷によって売り上げが激減し、資金繰りが立ちゆかなくなるケースが目立っている。
 業歴別では、業歴が「30年以上」の倒産が79件(構成比45.4%)となり、約半数を占める結果となった。次いで「20~30年未満」47件(同27%)、「15~20年未満」17件(同9.8%)となり、業歴の長い企業に倒産が多く発生している。
 地域別にみると、「関東」が83件(構成比47.7%)でトップを占め、「近畿」45件(同25.9%)、「中部」11件(同6.3%)が続くなど、依然として都市圏での倒産が目立っており、2008年秋以降の不動産市況悪化による広告費削減の影響を特に大きく受けた結果となった。