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視点の行方

美大生が自らの想いをPR

印刷ジャーナル 2009年12月5日

 美術学生が中心となって構成されているTHE SIX運営委員会(上野なつみ代表/多摩美術大学)では12月10日から13日の4日間、東京・新宿にあるアートコンプレックスセンターにおいて美術大学総合展覧会「The six!」を開催する。
 この美術展覧会「The six!」とは、美大生自らが作品を発表できる場を作りたい、という想いから「美術学生と社会を繋ぐ」をテーマに芸術祭で選ばれた作品を展示する美大生の総合展覧会として2007年から開催されているもの。
 3年目を迎える今回は、従来の展覧会だけでなく、ブックリリース、ウェブコンペディションという新たなプログラムを通じて、さまざまな角度から社会との関わりを検証していく。特に今回は、美術学生だけでなく、その作品を見る「鑑賞者」にも目を向け、これまで以上の規模と新たなアプローチを企画し、あらためて初心に立ち返り「美術学生と社会を繋ぐ」というテーマに挑戦していくという。
 その1つの試みとして過去の展覧会では、各美術系大学の芸術祭で選ばれた上位優秀作品のみを展示してきたが、今回より芸術祭からの出展に加え、新たに企画されたウェブコンペディションの審査通過作品も出展していく。このウェブコンペディションは、芸術祭が行なわれていない美術系学校に通う学生の作品や芸術祭に出展されていない作品のなかから素晴らしい作品を発掘するために企画されたもの。また作品を見る鑑賞者に対し、ウェブコンペディションを通して展覧会に出展する作品を選んでもらい「能動的にアートに関わる体験をしてもらいたい」というねらいもある。このほかにも開催期間中は、トークセッションや解説ツアーなどの数多くのイベントも用意され、一般の鑑賞者とも多くの触れ合えるよう工夫した運営を行なっていく。
 印刷業界では、全日本印刷工業組合連合会が「感性価値創造イニシアティブ」の一環としてパリ、ニューヨークにおいて作品出展を行ない、海外に向けて日本の印刷産業としての「感性価値」をPRしてきた。その活動の中心となっていたのは、明日の印刷産業を担っていく若手経営者達であった。
 その若手経営者よりさらに若く、そしてあらゆる試みで積極的に社会とのつながりを求め活動している美術学生達の「創造力」と「想い」を感じ取ることで新たな「感性」が生まれてくる可能性もあるのでは。