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視点の行方

世界経済回復期のIPEX

印刷ジャーナル 2009年7月25日

 「PRINT」から「IPEX」へ。
 今年9月11日から16日までの6日間、米国シカゴで開催される「PRINT09」は、「my PRINT」をテーマに、パッケージ印刷分野や発送/フルフィルメント分野、ワイドフォーマット、環境といった分野にフォーカスしたパビリオンが設置され、パーソナル化された総合プロモーションから広範なグラフィック・コミュニケーションの最先端が提示される。
 それからおよそ8ヵ月後の2010年5月、英国バーミンガムで開催される「IPEX2010」が、世界の印刷産業復活の起爆剤として注目を集めつつある。
 ドイツのdrupa、米国のPRINT、英国のIPEX、日本のIGASは世界4大印刷機材展と位置づけられており、drupa、PRINT、IPEX、IGASの順で毎年開催される。
 その中でも「印刷産業のオリンピック」とされるdrupaは群を抜く規模で、4年毎に開催されるdrupaにあわせて各機器メーカーは新製品の開発スケジュールを決めているほどである。
 drupaと次のdrupaの丁度中間の年に開催されるIPEXは、技術開発のテンポが速まる昨今では重要な展示会。PRINTと並んで、drupaで発表された技術、コンセプト機が製品化され、具体的な商談の場となる。そして2010年は、昨年後半からの不況期を脱出し、世界経済が回復期を迎える年と予想されることから、その重要度を増していると言われている。主催者側では「全世界の印刷産業が自信を取り戻し、不況から抜け出すチャンスの場となる」としている。
 およそ130年の歴史を持つ「IPEX」は、前回の2006年開催で大きな成功を収めたとされている。そのひとつが国際性の増大である。英国以外の出展社が50%を占めたほか、英国以外からの来場者も40%を占め、159ヵ国からの来場を迎え入れた「IPEX」には、5万2,000人、延べ10万人が訪れた。
 2010年5月18日から25日に開催されるIPEX2010の展示スペースは5万5,000平米。ナショナルエキジビジョンセンター(NEC)の6~12ホールと16~20ホールの計12ホールが使用される。6月末現在で、すでに40ヵ国以上から85%の出展申込を済ませているという。来場者見込みは5万5,000人以上。
 日本の印刷産業機械の輸出比率は4~5割。そのうち欧州諸国はおよそ3割を占めるとされている。世界経済が回復期を迎えようとする2010年、日本の技術力が改めて認識される「IPEX」となることに期待したい。