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視点の行方

DTP作業のOS、MacとWin拮抗

印刷ジャーナル 2009年3月15日

 (株)吉田印刷所(新潟県五泉市、吉田和久社長)は、昨年1月から本年2月にかけ、同社サイトの閲覧者を対象に「DTP作業のメインで使用しているOS」についてのアンケート調査(投票数948票)を実施した。
 アンケートによると、MacOSXをメインにするユーザーは約40%を占めるものの、WindowsXP25.7%、WindowsVista19.5%、MacOS9 12.9%、Windows2000 2.0%、MacOS8 0.4%で、MacintoshとWindowsの全体で見ると、Macintosh53%、Windows47%程度となり、かなり拮抗している現状が改めて浮き彫りとなった。
 以前はDTPといえばMacintoshが当り前だったが、現在はWindowsも選択肢として十分にあり得るということだろう。吉田印刷所の顧客データにおいても、最近はWindows版のIllustratorやInDesignで作成されていることが数多くあるようで、もはやDTP=マッキントッシュの時代ではないことを実感しているという。
 とくに、デザイン会社などではなく、メインのシステムがWindowsで組まれた会社でデザインなどを内製化している会社の場合は、何十台、何百台のパソコンの中で1台、2台だけをデザインのためだけにMacを導入するというのはシステム管理の面からも難しい点があるため、Windowsを選択するということも考えられる。
 しかし、MacOSXは、DTPに欠かせない「Illustrator」や「Photoshop」への対応バージョンも幅広く、またメモリの最大搭載量も数ギガバイトと従来のOSより格段にメモリ環境が改善されているため、これが一番に選ばれている大きな要因と考えられる。
 一方、WindowsXPは、基本的には一般販売を終了しているが、オーダーメイドのPCを購入する際に同OSが選べる事情や、WindowsVistaにアップグレードしなくても、格段問題がないという事情から、従来のXPを使い続けていると考えられる。
 リリースから2年が経過したWindowsVistaは、OSを指定せずにPCを購入すると自動的に同OSになるため、ある程度の使用比率にはならざるを得ないが、今後はXPからの移行がさらに進むことが予想されるだろう。
 MacOS9のユーザーも、いまだに13%近くいるという調査結果になったが、吉田印刷所が過去に実施したアンケートにおいて、「Illustrator8」をよく使うDTP制作者は3割いるという結果が出ており、ClassicOSを利用しているユーザーはまだまだ多いと考えられる。OSXと比べると色々な作業を同時進行しにくいという制約があるが、ソフトウェアをバージョンアップしなければ、OS9での作業を辞める必要があまりないため、OSXにバージョンアップすることなく使用を続けていると考えられる。