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視点の行方

デジタル印刷機の市場予測

印刷ジャーナル 2008年10月25日

 ワールドワイドでデジタルイメージング、ドキュメントソリューション市場に特化した調査活動を展開しているInfoTrends社(米国・ボストン)の日本法人である(株)インフォトレンズ(東京都渋谷区広尾1-3-18、前里慶一社長)がこのたび、国内市場におけるプロダクション(業務用)デジタル印刷機市場の予測レポートを発表した。同レポートによると、販売台数は2007年の2万6,315台から2012年には3万3,338台に、販売金額は2007年の824億4,300万円から2012年には1,296億5,100万円に増加すると予測している。
 またプロダクションデジタル印刷機の増加に伴い、デジタル印刷によるインプレッション(印刷物のボリューム)も2008年以降、毎年20.4%の成長率で2012年まで増加していくと予測している。
 2007年の国内プロダクションデジタル印刷機市場の販売台数は2万6,315台で前年比成長率は6.5%。販売金額は824億4,300万円で前年比成長率は販売台数ベースよりは低く、3.1%。同レポートでは、「2007年後半には、drupa2008開催の影響で、国内ではとくに高性能のプロダクション専用デジタル印刷機について買い控え現象が起こった。この結果2006年と比較して2007年の年間販売金額の成長率は低下しているが、2008年以降にはdrupa2008で発表された新製品が相次いで市場投入されることもあり、市場は持ち直すと考えられる」との見方を示している。
 2007年のプロダクションデジタル印刷機のカラー機とモノクロ機の販売台数比率は、ほぼ9:1となっており、国内ではプロダクションデジタル印刷機の需要はカラー機に大きく偏重している。今後もカラー印刷物の需要が高くなると予測されるために、カラー機の比率は徐々に高くなっていくとみられる。
 図は、2005年~2012年のプロダクションデジタル機の販売台数実績と予測である。2008年~2012年のCAGR(年平均成長率)は4.8%だが、2008年以降はとくに高速のカラープロダクション機市場(カラー印刷速度45PPM以上)が急速に拡大する。この市場における販売台数は2007年の3,069台から2012年には1万0,510台に増加して、CAGRは28.9%と予測している。
 「国内の印刷業界では、デジタルプリンティングサービスに対する理解が深まり、またプロダクションデジタル機の印刷速度、画質の向上、低価格化などの条件も整ってきたことから、この市場への参入を意識した動きが活発になってきている。とくにオフセット印刷では実現できない多品種、短納期のバリアブル印刷などによる高付加価値のサービスが今後の事業拡大へのキーになることが認識されてきている」
 これらの国内市場規模と予測および市場分析は、2008年9月にインフォトレンズより発行されたマルチクライアントスタディレポート「2008年国内POD市場動向の分析と予測」に掲載されている。なお本レポートには、drupa2008におけるプロダクションデジタル印刷機の動向分析、オフセット機とプロダクションデジタル機のコスト、用途の比較分析、デジタルインクジェット機の動向分析についての詳細な報告も掲載されている。