PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 視点の行方 > 歴史が示すdrupaの地位
視点の行方

歴史が示すdrupaの地位

印刷ジャーナル 2008年5月15日

 世界の印刷メディア産業全体に最も経済的、技術的影響を及ぼす「drupa」。このことは、その歴史によって証明されている。
 drupaの歴史は1951年、わずか10ヵ国・527社の出展規模で始まった。その後、1977年の第7回で22ヵ国から1,000社を上回る出展社を迎えるようになり、2000年ミレニアム記念となった第12回では、50ヵ国から1,943社がエントリー。展示面積15万9,000平米の会場に42万8,000人以上の来場者を迎えた。
 そして前回2004年の第13回は、52ヵ国・1,866社が出展。展示スペースは16万1,000平米で、122ヵ国から39万4,000人以上が来場した。
 これら半世紀にわたるdrupa成功の鍵は、2つあるとされている。
 まず1つ目は、来場者の多くが、自社の投資決定に発言権を持っているということ。前回の2004年開催のdrupaでは、その数字が85%に達しているという。
 もう1つは、来場者が国際的であること。つまり海外からの来場者が多いということだ。これはdrupaのステイタスを物語る大きなポイントである。
 前回のdrupa2004の来場者のほぼ半分が、海外からだったという数字が残っている。とくにアジア太平洋地域からの来場が目立っているのも注目すべき点だ。drupa2000と比較しても、そのトレンドは明らかである。
【2000年と2004年の主な地域別来場者数比較(メッセ・デュッセルドルフ社長 ヴェルナー ドーンシャイト氏のプレゼンより)】
▽米国:1万3,000人→1万1,000人
▽中国:200人→2,300人
▽インド:5,000人→1万3,000人
▽タイ:200人→2,000人
 これらの数字は、他の四大印刷機材展である英国のIPEX展、米国のPRINT展、日本のIGAS展を大きく引き離すものであり、今回も海外からの来場者数は大幅に増加すると見られている。
 半世紀以上にわたって成長を続け、その地位を確立してきた印刷産業のオリンピック「drupa」。第14回となるdrupa2008は、実質展示スペース17万平米以上と初回のおよそ10倍に達する勢いで、史上最大規模となり、そのサクセスストーリーに新しい章が加えられることになる。